「変速」再現した高性能EV 新型ヒョンデ・アイオニック5 N 次世代ホットハッチ誕生

公開 : 2023.07.14 20:05

変速ショックとエンジン音

ヒョンデはまた、従来のガソリンエンジン車のスピリットを取り込むため、疑似的なトランスミッションとエンジン音を追加した。

トランスミッションは、Nのエンジン搭載モデルに採用されている8速デュアルクラッチの挙動をシミュレートし、変速時のショックを再現してアナログ的な雰囲気を強め、エンジン音は8000rpmまで「回転」する。どちらもドライバーの任意でオン/オフ切り替えが可能だ。

ヒョンデ・アイオニック5 N
ヒョンデ・アイオニック5 N    ヒョンデ

インテリアでは、アイオニック5 Nに新しいバケットシートと専用のステアリングホイールが採用された。12.3インチのデジタルメータークラスターと12.3インチのインフォテインメント・ディスプレイには、パフォーマンス志向のテーマと設定が追加されている。車両購入後は無線アップデートが提供される予定だ。

アイオニック5 Nの価格は未発表だが、ヒョンデはエンスージアストにとって手の届きやすいものになると述べている。同様のコンセプトで開発された兄弟ブランドのキアEV6 GTと同じようにプレミアムがつくと予想され、英国価格は6万5000ポンド(約1180万円)前後になると思われる。

クルマ文化に正しいも間違いもない

AUTOCARは、ヒョンデのNブランド&モータースポーツ事業部を率いるティル・ヴァルテンベルグ常務取締役にインタビューを行った。

――なぜグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードでアイオニック5 Nを公開したのでしょうか?

英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で公開されたヒョンデ・アイオニック5 N
英グッドウッド・フェスティバル・オブ・スピード2023で公開されたヒョンデ・アイオニック5 N    AUTOCAR

「英国は強力な市場であり、グッドウッドはファンとの関わりが深い魅力的なイベントです。アイオニック5 Nの開発作業に英国の道路を選んだのは、重要なホットハッチ市場だからです」

――開発中に学んだことは?

「わたしにとっては、クルマ文化はグローバルなものであり、正しいも間違いもないということを学びました。わたし達はICE時代にはかなり準備を整えてきましたが、これを電動化に応用する場合、クルマとドライバーの相互作用に常に焦点を当てていきます。それが最高の結果をもたらすからです」

――将来のモデルに影響は?

「ヒョンデNは、テクノロジーと会社全体にとっての灯台であり、一過性のものではありません。テクノロジーはスケーラブルで拡張性があり、E-GMPプラットフォームは非常に優れたプラットフォームであり、ハイパフォーマンスという点で最大限の力を発揮しています」

――ICE時代から電動化に引き継げるものは?

「アイオニック5のサウンドとシフトチェンジは、ICE車から発展させたもので、これはEV時代のフィーリングとエモーションを再現したかったからです。クルマの扱い方は、短いNの歴史から来ており、わたし達はそれをEVにも持ち込むつもりです」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事