【独自】ビッグモーター、実は大幅減益 単月利益が昨年9月44億→今年4月は7億円台に

公開 : 2023.07.19 11:55  更新 : 2023.07.20 11:16

独自取材です。中古車販売大手「ビッグモーター」が大幅減益です。この記事ではトラブルの例と問い合わせの推奨をおこなっております。

門外不出のデータ 経常利益グループ全体で衝撃の数字

2023年7月5日ビッグモーターは「特別調査委員会の調査報告書受領に関するお知らせ」として公式サイトにお知らせを出した。

「自動車保険金請求において不適切な行為があった」ことを会社として認めた。

就職情報誌の会社概要に記されている「グループ合計売上高7000億円」だけが、これまで一般に広く知られる業績だったが……。
就職情報誌の会社概要に記されている「グループ合計売上高7000億円」だけが、これまで一般に広く知られる業績だったが……。

再発防止策などについても提言している。事故で損傷した車両を保険修理する際、不正な水増し請求があったことなどを会社として認めたのだ。

筆者(加藤久美子)は2022年夏頃からビッグモーターの不正について様々な取材を続けており、これまで元社員/元幹部/現役営業スタッフ/元整備スタッフ/下請け修理スタッフ、そして中古車購入や買取/車検や点検などの際ビッグモーターに騙されて払わなくてもいいお金を支払ってしまい泣き寝入りするしかなかったお客さんたち合計50名以上の人々に話を聞いてきた。

たくさんの悪事を働いている会社なのに、警察が動くことはほぼ皆無でスポンサーへの配慮からTVで悪事を報道されることもなかった。

売上高は7000億円(2022年9月期)を誇り、テレビやラジオのCMは1日に何度も流されて毎月4〜5店の新店が全国各地でオープンする状況だ。

被害を受けた人たちはお金が返ってくることもなくやり場のない怒りを抱え、非常に悔しい思いをしてきた。

ビッグモーターは上場していないため、経常利益なども公開されていない。就職情報誌の会社概要に記されている「グループ合計売上高7000億円」だけが、これまで一般に広く知られる業績だった。

しかし、実際は……そうではなかった。

「かなりギリギリな数字です」証言

数日前、筆者宛に関係者を名乗る人から届いたメッセージには衝撃的な数字が記されていた。

「昨年までは40億前後の単月経常利益が今年4月に10億円を切って7億7000万台にまで落ちました。5月は少し持ち直したがそれでも10億円以下。かなりギリギリな数字です」

全部門、全体「経常利益単月」 単位:千円
全部門、全体「経常利益単月」 単位:千円    AUTOCAR JAPAN

ビッグモーターがグループ全体で大幅減益となっている情報だった。あまりの衝撃的な数字に驚き、これは本当なのか? 複数の関係者に確認したところ、全員が「その数字は本当です」との回答を得た。

4月に7億円台となった背景に何が

今年4月の単月経常利益は何と最盛期の5~6分の1となる7億7000万円台にまで落ちている。

関係者の話によると、この額はビッグモーター始まって以来最低の数字とのこと。

ビッグモーターグループ経常利益の推移。 単位:円
ビッグモーターグループ経常利益の推移。 単位:円    AUTOCAR JAPAN

このデータによると、令和4年9月には最高の44億6468万7000円でこの表の期間では最高益となっている。

しかしその直後くらいから保険金不正請求や損保との取引停止、損保による独自調査などが報道で明らかにされ始めており、それに関係しているかどうかは不明だが、翌10月には36億円台、12月には15億円台まで下がり、令和5年4月には7億円台にまで大幅下落した。

複数の関係者の話をまとめると以下となる。

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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