【独自】ビッグモーター、実は大幅減益 単月利益が昨年9月44億→今年4月は7億円台に

公開 : 2023.07.19 11:55  更新 : 2023.07.20 11:16

複数の関係者の話

「保険金不正請求の件は、実は関係者からの内部告発があり2022年夏以降、経済メディアで報道されるかなり前から社内調査がおこなわれてきました」

「最高で33か所あった直営の板金工場は33→18にまで減り、昨年4月から毎月1.5億円の赤字が1年以上続いています」

「また、不正が明らかになった分に関しては内々に損保各社に返還を始めており、それが経常利益に影響を及ぼすようになったのが昨年秋以降とみられ11月~12月にかけて大幅に減益しました」

「4月にさらに大きく下落した理由は、様々な理由が考えられますが、保険金不正請求をはじめ、2月には唐津店の指定工場が事業停止となり、3月下旬にはグループの指定工場初の「指定取消」という大変重い行政処分が熊本浜線店に下されました」

「指定取消で民間車検場として機能できなくなったのはこの時点では熊本浜線店だけですが、この時は新聞やNHKなどでも大きく報道されたため全体的なイメージダウンになったのも確かです」

「週刊誌でタイヤ保証サービスの不正利用が大きく報道されたことも関係しているかもしれません」

タイヤ保証サービス

車検時や中古車販売時などに1万円(普通車)の保証料を払うと、タイヤ1本パンクしても4本すべて上限10万円までタイヤ代無料で新品に交換してくれるサービス。工賃は有料で保証期間は2年間。

ビッグモーター 不正いろいろ

ビッグモーターは保険金の不正請求だけではなく、クルマの購入や買取、車検や整備などあらゆるシーンで不正をおこなってきた会社である。

主にカモにされてきたのは、中古車売買やクルマの維持、車検などについて知識を持ち合わせていない人たちだ。また、カーセンサーやグーネットなどの大手中古車情報サイトへの自作口コミ投稿や大量のテレビ、ラジオのCMなどによって、中古車売買が初めての人にも安心感と優良誤認を与えてきたことは非常に罪深い。

筆者がこれまで取材をしてきたケースをいくつか紹介しておきたい。

ローンのゴリ押し

現金で購入したいというと「1年だけローンを組んでください。損はさせません」と言いながらアドオン方式のローンを組ませて結局は100万円で済むところを130万円支払うことに。

水没を隠して販売

水没車であることはオークション時のデータに明記されていたが、お客には水没車であることを偽って販売。客が異変に気付いてビッグモーターに申し出たが、「水没車だとは知らなかった」として補償無し。

ウソによる引き取り

車歴20年以上で車検が受けられなくなるとウソ。数百万円の価値がある旧車をタダ同然の値段で引き取っていた。

2万円の車庫証明費用

車庫証明は販売店じゃないととれませんとウソ。車庫証明費用として2万円を請求された。

謎の費用を事前請求

納車準備費用という謎の費用を事前に請求。8万円も支払ったのに実際は全く整備も何もできてなかった。

タイヤのすり替え

店で見て新古車を契約したのに、納車時についていたタイヤは全部溝無しの古いタイヤだった

3〜4時間の軟禁

中古車購入のために近所のビッグモーターに寄ったが契約するというまで軟禁状態にされ3〜4時間店に閉じ込められた。

買取金額から「減額」

買取金額が決定してビッグモーターがクルマを店に持ち帰った後で、「修復歴があった」「故障していた」「〇〇にキズがついていた」などとクレームをつけて買取金額から数十万円を「減額」

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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