【独自】ビッグモーター、実は大幅減益 単月利益が昨年9月44億→今年4月は7億円台に

公開 : 2023.07.19 11:55  更新 : 2023.07.20 11:16

あなたも被害者かも? 保険金不正請求とは

最後にいま話題となっている「修理代金の保険不正請求」について触れておきたい。

テレビや新聞もやっと本格的に報道を始めた「保険金不正請求問題」とは、簡単に言うと修理代金を水増しして保険会社に請求することである。

これはビッグモーターでクルマを買っていなくても、保険会社からの誘導(提携工場として登録されているビッグモーターを紹介されてそこに入庫を促す)によってビッグモーターの被害者になっている可能性もある。

筆者が取材した人の中には「ディーラーに修理をお願いしたかったのだが、保険会社から半ば強引にビッグモーターの修理工場を紹介されて仕方なく入庫した」というケースもあった。

なぜ保険会社がビッグモーターを強引に紹介するかというと、ビッグモーター→保険会社に対して様々な優遇措置があったからに他ならない。

また、ビッグモーターに入庫した後、無理やり傷を増やすなどして大幅に修理代金を水増しして保険会社に請求することもしばしばあった。

・ヒョウが降ってクルマのボンネットに少し傷がついたような場合、ゴルフボールを靴下や軍手の中に入れてボンネットを叩き傷を大幅に広げる。

・修理は下請けの修理工場に大幅に安い値段でやらせておきながら、保険会社には下請け工場の修理代+30〜50万円という水増し請求をする。

本来は保険を使わない方がトータルでの出費が少なくてすむのに高額な修理代がかかったと偽装して請求。(このような場合、保険を使うことで翌年から等級ダウンし翌年からの保険料も高額になる)

なお、ビッグモーターは不正請求分を損保各社に返金することを明らかにしており、すでに一部は返金が完了している。

今後、10万件以上の保険修理について数年をかけて調査をおこなうとしており、返金の総額は一部で100億円以上は確実という声もある。

救済の可能性も 問い合わせを

ビッグモーターの問い合わせフォームや店舗には現在、過去の保険修理のほかに自費修理含めて、中古車購入や買取時のトラブルなどについても問い合わせが殺到しているとのこと。

明らかに不正な費用を支払っている場合は返金される可能性があるし、保険については下がった等級が戻る可能性も大。

もし、この記事を読んでくれている読者の皆様の中で何かしらの心当たりがある場合はひとまずビッグモーター公式サイトの問い合わせフォームから連絡してみてはいかがだろうか。

ここまで書いたところで昨日(2023年7月18日)にビッグモーターから「当社板金部門における不適切な請求問題に関するお詫びとご報告」とのお知らせが発表された。

ここには様々な再発防止策や全取締役に関して報酬の自主返上を実施することなどが記されている他、特別調査委員会による調査報告書もPDFにて全公開されている。

また、本件に関する問い合わせ電話も設置されているので気になる方は問い合わせを
0120-733-500 受付時間:10時~17時

記事に関わった人々

  • 執筆

    加藤久美子

    Kumiko Kato

    「クルマで悲しい目にあった人の声を伝えたい」という思いから、盗難/詐欺/横領/交通事故など物騒なテーマの執筆が近年は急増中。自動車メディア以外ではFRIDAY他週刊誌にも多数寄稿。現在の愛車は27万km走行、1998年登録のアルファ・ロメオ916スパイダー。クルマ英才教育を施してきた息子がおなかにいる時からの愛車で思い出が多すぎて手放せないのが悩み。

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