パナソニック オートモーティブシステムズなど3社の仮想化セキュリティ技術、「自動車部門で最も優れた」パートナーシップに選出
公開 : 2023.07.19 15:38
SDV(ソフトウェア・デファインド・ビークル)の時代に心配なのは、セキュリティ面。パナソニックやトレンドマイクロによる仮想化プラットフォームの技術が、世界的アワードに選出されました。
次世代ECUの「脆弱性」を守るセキュリティ
パナソニック オートモーティブシステムズと、VicOne、トレンドマイクロの3社の協働が、情報通信技術の世界的アワードを受賞した。
3社によるSDV向けの仮想化セキュリティソリューションが、英インフォーマPLCが開催するイベントにおいて、「自動車部門で最も優れた才能、企業、製品、サービス」として選出。
インフォーマ・テック・オートモーティブというアワードの「コラボレーティブ・パートナーシップ・オブ・ザ・イヤー」賞を授与された形だ。
次世代の電子制御ユニット(ECU)内のソフトウェアの脆弱性に対処するため、3社は協力して、仮想化プラットフォームのための堅牢なセキュリティシステムを設計。
これから自動車の主流になるSDVを、“簡易かつ安全に実現するソリューション”の技術実証を行っていた。
サイバーセキュリティと自動車産業のタッグ
受賞のポイントは以下の2点。
1つ目は、パナソニック オートモーティブシステムズの「VERZEUSE for Virtualization Extensions」。
これは、アプリケーションが仮想デバイスを利用する際の通信データを取出す拡張インターフェイスを提供するもの。他社製を含むセキュリティ機能がこのインターフェイスを利用することで、通信データを監視するセキュリティプラグインを追加できる、高い拡張性を実現する。
また、仮想化プラットフォームの中で、サイバー攻撃が届きにくい安全な領域にセキュリティ機能を配置できるので、高い堅牢性を提供できる。
2つ目は、VicOne・トレンドマイクロの「xCarbon」。
このソリューションは、サイバー攻撃の検出・防止を行う組込み型セキュリティモジュールだ。パナソニックの「VERZEUSE for Virtualization Extensions」との連携により、「xCarbon」は、仮想化プラットフォーム上の通信データを監視し、脆弱性を悪用したサイバー攻撃や悪意のあるメッセージの侵入から次世代コクピットシステムを保護する。
こうした仮想化プラットフォームにより、容易に単一のECUへのソフトウェア機能の集約ができるようになる。
例えば、次世代コクピットシステムでは、「スピードメーター」「カーナビ」などの機能を統合する流れが進んでいる。仮想化プラットフォームにセキュリティ機能を統合すれば、機能の集約とセキュリティの両立が容易に実現されるわけだ。