サーキットがホーム ロータス・コルティナ 高性能フォード:欧州での60年(1)

公開 : 2023.07.29 07:05

サーキットがホームグラウンド

今回ご登場願ったロータス・コルティナは、1966年式。2006年からデビッド・クック氏が大切に維持している1台だ。ほぼオリジナル状態にあり、改良された点といえば、スプリント・カムシャフトが組まれていることくらい。15馬力も増えている。

デビッドによると、驚くほど信頼性は高いという。着座位置が高めの開放的なキャビンへ身を置くと、正面にはメーターが6枚並んだ、シリアスなダッシュボードが伸びる。ステアリングホイールは、クラシカルな3スポークのウッドリムだ。

ロータス・コルティナ(1963〜1966年/英国仕様)
ロータス・コルティナ(1963〜1966年/英国仕様)

運転席からの視界は素晴らしい。人間工学に基づいて、すべての操作系が適切に配置されている。

ストロークの短いシフトレバーを1速へ入れ、重めのアクセルペダルを傾ける。ツインチョーク・ウェーバーキャブレターから、記憶通りの唸りが放たれる。サーキットがホームグラウンドであることを実感させる。

1.6Lのツインカム4気筒エンジンは、1500rpm辺りから勢いが増し、6500rpmのレッドライン目掛けて美声を高めていく。リミット間際では、少し息苦しそうになる。

ペースを速めるほど、57年も前に作られたクルマだということが、信じられなくなる。ボディは軋む音を一切立てず、しなるような仕草もない。シャシーは落ち着いていて、ボディロールは最小限しか生じない。

コーナリングは、目をみはるほど正確。許される範囲で攻め立ててみたが、内側のフロントタイヤを浮かせることはできなかった。クラークのように。

ロータス・コルティナ(1963〜1966年/英国仕様)のスペック

英国価格:1100ポンド(新車時)/7万5000ポンド(約1350万円)以下(現在)
販売台数:3306台(合計)
全長:4267mm
全幅:1600mm
全高:1372mm
最高速度:173km/h
0-97km/h加速:13.6秒
燃費:6.4-8.9km/L
CO2排出量:−g/km
車両重量:825kg
パワートレイン:直列4気筒1558cc自然吸気DOHC
使用燃料:ガソリン
最高出力:106ps/5500rpm
最大トルク:14.7g-m/5500rpm
ギアボックス:4速マニュアル(後輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・カルダーウッド

    Charlie Calderwood

    英国編集部ライター
  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    ジェイソン・フォン

    Jayson Fong

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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