アウディと上海汽車(SAIC) EV開発で協力へ 中国市場向けモデルにプラットフォーム採用か

公開 : 2023.07.21 19:05

アウディと上海汽車集団(SAIC)が、中国市場向けのEV開発で協力することで合意したと発表。アウディは開発が遅れるVWグループの「SSP」プラットフォームの代替を模索しています。

アウディ、中国向けEV開発でSAICと協力

アウディと上海汽車集団(SAIC)は、中国自動車市場における互いの立場強化を目指し、EV開発で協力することで合意した。

アウディは、親会社であるフォルクスワーゲン・グループの「SSP(スケーラブル・システム・プラットフォーム)」の開発遅れを受け、中国の自動車メーカーからEV用プラットフォームを調達する方向で協議を進めていた。

アウディが採用予定だったVWグループの「SSP」はソフトウェア開発が難航している。
アウディが採用予定だったVWグループの「SSP」はソフトウェア開発が難航している。

SAICはブルームバーグに寄せた声明で、「中国自動車市場が歴史上最大の変革期にあることは、すべてのステークホルダーが認めるところです。したがって、わたし達は将来の成功を保証する戦略的アプローチに共同で取り組んでいくことにしました」と述べている。

もともとアウディが採用予定だったフォルクスワーゲン・グループのSSPは、E3 2.0と呼ばれる新しいOS(オペレーティングシステム)をはじめとするソフトウェア開発の継続的な遅れによって混乱に陥っている。

E3 2.0は、レベル3の自動運転技術を導入予定のSSPにおける重要なコンポーネントと考えられている。

アウディは中国向けのEVモデルに、SAICやアリババ・グループが設立した合弁企業IMモーターズのEV用プラットフォームの採用を検討中だ。このプラットフォームは現在、IMが販売するセダンの「L7」やSUVの「LS7」で使用されており、800Vの電気アーキテクチャー、ホイールベース2800~3200mmのモデルに対応する。

中国での販売改善を迫られているアウディは先月、組織再編の一環として、新CEOにゲルノート・デルナー氏を任命した。

記事に関わった人々

  • 執筆

    グレッグ・ケーブル

    Greg Kable

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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