クラスベストの1台へ飛躍 レクサスUX 300eへ試乗 72.8kWhへ増量で航続449km

公開 : 2023.07.28 08:25

駆動用バッテリーを72.8kWhまで拡大したUX 300e。フェイスリフトでクラスベストへ躍り出たと、英国編集部は評価します。

アップデートで72.8kWhへ増量 航続449km

レクサス初のバッテリーEVとなったUX 300eは、快適な乗り心地を備え、ストレスフリーのドライビング体験を魅力とする意欲作。ドイツ・ブランドとは異なる上質な選択肢として、仕上がり自体は悪くない。

実際、2022年の英国ではレクサスの最多売モデルへ輝いている。ところが、同クラスのモデルのなかでは、売れ行きが低調だった。その大きな理由になっていたのが、充分とはいえない航続距離だろう。

レクサスUX 300e(英国仕様)
レクサスUX 300e(英国仕様)

加えて、インフォテインメント・システムの内容はいまひとつ。運転の楽しさも、特筆するほどではなかった。

それらの弱点を克服するべく、レクサスは2023年仕様としてUX 300eに小改良を実施した。駆動用バッテリーの容量は、18.5kWhプラスの72.8kWhへ増量。その結果、航続距離はWLTP値で315kmから449kmへ大幅に伸びている。

上級トリムグレードを選べば、従来よりひと回り大きいタッチモニターをダッシュボード上に据えられるようにもなった。サスペンションは、好ましいドライビング体験を求めてチューニングを受けている。

変化は小さいものの、フェイスリフトとしてバンパーやライト類のデザインも新しくなった。このクラスにはライバルが多く、競争は激しい。それでも、細部まで入念に洗練性が高められており、全体的な印象は従来より確実にいい。

改良されたインフォテインメント 心地良い車内

キーを操作しドアのロックを解除すると、カチッとソリッドな音が小さく聞こえる。ドアを開くと、レザーの質感はライバルより数段高い。ダッシュボードのボタンなどは、感触に高級感がある。パワーウインドウは、滑らかに無音で上下する。

低コストを感じる素材が用いられているのは、足もと周辺など目立たない場所だけ。とても心地良い車内だ。

レクサスUX 300e(英国仕様)
レクサスUX 300e(英国仕様)

満充電された試乗車のシステムをオンにすると、メーター用モニターには予想の航続距離439kmと、平均の電費効率5.6km/kWhが示された。間違いなく、従来から大幅に良くなっている。

レクサス・リンクと呼ばれるインフォテインメント・システムもアップデートされ、直感的に扱える。トリップコンピューターのリセットや、エネルギー効率を確かめるのも、タッチモニターを介する必要はあるが。

操作時の「ボン」という音は、オフにした方がいいかもしれない。少し耳障りだと思う。

試乗車のようにタクミ・グレードを指定すると、プロ・バージョンのシステムが実装される。タッチモニターは、10.0インチから12.3インチへ大きくなる。グラフィックはシャープで見やすく、純正ナビも扱いやすい。BMW iドライブには及ばないとしても。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョナサン・ブライス

    Jonathan Bryce

    英国編集部。英グラスゴー大学を卒業後、モータージャーナリストを志しロンドンに移住。2022年からAUTOCARでニュース記事を担当する傍ら、SEO対策やSNSなど幅広い経験を積んでいる。
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

関連テーマ

おすすめ記事

 

人気記事