ブガッティ・シロン後継、V8ハイブリッド搭載へ 2024年公開予定 「新時代」へ導くデザイン

公開 : 2023.07.24 18:25

超高級車ブランド、ブガッティは新型ハイパーカーを2026年の発売に先駆けて来年公開することを明らかにしました。これまでの大排気量W16エンジンとは異なり、電動化されたV8ガソリンエンジンを搭載する見込みです。

V8ハイブリッドの次世代車、来年公開へ

ブガッティは、ハイパーカーのシロンの後継となる新型車を来年公開し、2026年の発売予定であることを明らかにした。

ブランドを象徴するW16エンジンを、昨年発表のミストラルで引退させたブガッティ。新型車ではハイブリッドのV8ガソリンエンジンを採用する予定だ。

新型車はブランドを「新時代」に導くデザインになるという。(画像は予想レンダリングCG)
新型車はブランドを「新時代」に導くデザインになるという。(画像は予想レンダリングCG)    AUTOCAR

新型車のデザインを監督したアヒム・アンスハイト氏はAUTOCARの取材に対し、「クルマは完成しました。プロトタイプの金型は2、3か月前に納入し、生産用の金型は数か月後に納入する予定です」と語った。

アンスハイト氏は19年間ブガッティに在籍したが、今回の新型車に関するニュースに先立ち、デザインチーフを退任するという発表があった。彼はこう語っている。「過去19年間ブガッティで学び、理解しようとしたことすべてを、このクルマの開発に反映させたかったのです」

同氏は新型車について、ブガッティを新しい時代へと「前進」させる一方で、馬蹄形グリルや「ブガッティ・ライン」(1934年のタイプ57以来、すべてのモデルに採用されている特徴的なベルトライン)といったブランドの特徴的なデザインを維持しなければならないと語った。

次期ハイパーカーは新しいシャシーを使用し、小型のV8エンジンのためミストラルよりもスリムになると予想されている。

「パフォーマンスとパフォーマンスのニーズから、制約もあるでしょう。しかし、わたし達はクルマの隅々まで熟知しているため、(変更が)どこに有効で、どこに問題が生じるかを正確に把握しています」とアンスハイト氏。

ブガッティは新型車について口を固く閉ざしており、パワートレインの電動化以外に何も明かしていない。

ハイブリッド・パワートレインを搭載したハイパーカーといえば、コスワース製6.5L V12エンジンのアストン マーティン・ヴァルキリーから、F1用の1.6L V6ターボのメルセデスAMGワンなどが直近の例として挙げられる。次のブガッティには、アストンに近いものを期待したい。

AUTOCARの取材に応じたブガッティの新デザインディレクター、フランク・ハイル氏は、新型車はミストラルよりも「さらに素晴らしいものになる」と語り、「わたし達を信頼してください」とファンに呼びかけた。

「プロポーション的にも、技術的にも、革新性という点でも、意外性という点でも、驚くようなものになるでしょう。人々の度肝を抜くようなものになるだろうし、これに携わるのは本当に嬉しい」とハイル氏。車両デザインはこれまでも難しいものだったという。

「(ミストラルは)重量バランスを考慮した結果、トランスミッションが座席の間にあり、ラ・フェラーリと比較するとかなりコンパクトなクルマになっています。しかし、ハイブリッド・パワートレインではバッテリーの重量が増えるため、クルマ全体のアーキテクチャを見直す必要があります」

ブガッティのインテリアデザイナーであるアルド・マリア・シーカ氏によると、新型車のインテリアは劇的に刷新されることはなく、最近のモデルに近いものになるという。おそらくアストン マーティンDB12と同じような流れで、大型のインフォテインメント・タッチスクリーンが採用されることになるだろう。

ブガッティの新型車は、500万ユーロ(約7億8600万円)のミストラルよりも高価になると予想されている。

ブガッティ・リマックのCEOであるマテ・リマック氏は以前、次の目標としてEVを挙げている。

追加取材:ジョナサン・ブライス

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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