ボルボV40クロスカントリー T4

公開 : 2014.04.26 17:23  更新 : 2017.05.29 19:08

クロスカントリーとかXCとかいわれるとノタッとしたクルマの動きを想像する。クドいようだけれど、これはそういうものでは全然ない。あえてその真逆をいっている感すらある。なお、試乗車の走行距離は1000km未満。その2倍か3倍かもっと距離がススんだら、乗った感じもちょっとは変わるだろうけれど……。あるいはもっと。

アシ的ハンドリング的には平均よりもスポーツサスペンション度が明らかに高い感じで、ただし当然ながらというべきか、シャコタン感はなし。ワダチ系の路面の乱れに弱いとか、あるいは上屋のちょっとした上下動のなかにバンプタッチっぽい強引な揺すられ感や止められ感が混じるとか、そういうのは。

あと、タイヤのハイグリップ指向がミョーに強い感じもない。だから大丈夫というか、クロスカントリーらしいスポーティといえる。フツーのV40のときよりも高いところに座っている印象は別にないけれど、そういう次第でアンチ・シャコタン感はちゃんとある。だからそう、クロスカントリーのFFはダートラ仕様っぽい物件だと考えるといいかもしれない。これでグラベル路を元気よく走ったら、それもまた気持ちイイのではないか(やってみたい)。

V40系(というか、いまのボルボ)なので車体骨格のガッチリ度は高い。よい動質をモノにするための基本がしっかりしている。ポジション関係の運転環境は良好。右ハンドルの不利なし。模範的。アクセルペダルの操作とエンジンの出す力の増減の関係はわかりやすい。エンジンは常用域から力強く、その外でも十分速い。踏力一定≒制動G一定のブレーキングはやりやすい。ハンドル手応えは、直進管理領域では何ら問題なし。安心感があってラク。ただしきると問題が……ということは別にないけれど、いまのボルボのなかではクイック感あり。ちょっと前のボルボから乗り換えると、少しギョッとするくらい速い。再びただし、リヤの踏ん張りがしっかり出るタイミングが早すぎてクルマの向きが十分に変わらないまま……ということはない。クルマの動き自体は自然。全体としては、少しテンション上げめのV40。

もう1台。これも200台限定のV40。T4スポーツ。ナンバー付き試乗車がなかったので、プレスリリースからの書き写し。フツーのV40との違いは、大きいところで「スポーティな印象を添えるスタイリングキット」と「18インチの軽量鍛造アルミホイール」(ボルボ純正品史上初)。タイヤはミシュランPS3。225/40R18。レザーではないけれどド布っぽくもないT-Tecのシート(クロスカントリーのT4のノルディックもこれと同じ)。ボディ同色(?)で赤のアクセントのラインが入ったダッシュのセンターパネル。選べる色はブラックサファイヤメタリックかアイスホワイト。ナビその他最初からついて、379万円(8%の消費税込み)。ただし、黒メタリックの外装はオプション代でプラス8万2286円(8%の消費税込み)。ちなみに、あと30万円ほどプラスすると、同じT4のRデザインが買えます。

(文・森 慶太 写真・花村英典)

ボルボV40クロスカントリー T4 ノルディック/T4 スポーツ

価格 380.0万円 379.0万円
0-100km/h 8.1秒 8.5秒
最高速度 210km/h 225km/h
燃費 16.4km/ℓ 16.4km/ℓ
CO₂排出量 143g/km 143g/km
車両重量 1440kg 1430kg
エンジン形式 直4DOHCターボ, 1596cc 直4DOHCターボ, 1596cc
エンジン配置 フロント横置き フロント横置き
駆動方式 前輪駆動 前輪駆動
最高出力 180ps/5700rpm 180ps/5700rpm
最大最大トルク 24.5kg-m/1600-5000rpm 24.5kg-m/1600-5000rpm
馬力荷重比 125ps/t 126ps/t
比出力 113ps/ℓ 113ps/ℓ
圧縮比 10.0:1 10.0:1
変速機 6段DCT 6段DCT
全長 4370mm 4370mm
全幅 1800mm 1800mm
全高 1470mm 1440mm
ホイールベース 2645mm 2645mm
燃料タンク容量 62ℓ 62ℓ
荷室容量 324ℓ 335ℓ
サスペンション(前) マクファーソン・ストラット マクファーソン・ストラット
サスペンション(後) マルチリンク マルチリンク
ブレーキ(前) φ300mmVディスク φ300mmVディスク
ブレーキ(後) φ280mmディスク φ280mmディスク
タイヤ 225/45R17 225/40R18

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