ダイハツ・コペン(プロトタイプ)
公開 : 2014.04.26 18:08 更新 : 2017.05.29 18:45
試乗会場に用意された新型コペンは、ダミー擬装のチェッカー塗装となっているため詳細なフォルムが判り難いけれど、目を細めて擬装の下のボディを見てみると、東京モーターショーに出展されていた「KOPEN future included Rmz」とほぼ同じ。コペンといえばショーモデルでは「KOPEN」、市販モデルでは「COPEN」と表記を変化させるのは先代と同様だが、この車名表記の変化からも市販モデルの開発が最終段階を迎えていることが伺える。
正式にナンバーの付いた車両ではないため、もちろん公道を走行することはできない。用意されていた試乗場所は、広大な駐車場にパイロンを用いて設定された専用コースで、10分間というわずかな時間でM/T車とCVT車を乗り分けるというものだった。駐車場に描かれたコースはアップダウンこそないものの、もっとも速度変化の大きな場所では80km/hオーバーからブレーキングをして進入するコーナーもある、なかなか走りがいのあるレイアウト。限られた時間とはいえ、新型コペンの走りっぷりを味わうには充分な内容だったといえるだろう。
最初にステアリングを握ったのはCVT車のほうである。新型コペンはエンジン、ミッションともどもタントに搭載されているものを基本的に流用しており、エンジンは先代のJB型直列4気筒ターボからKF型直列3気筒ターボへと変更された。最高出力は軽自動車規格上限の64ps/6400rpmながら、最大トルクは9.4kgm/3200rpmと先代モデルに比べて出力はダウンしている。ボディ剛性が飛躍的に向上したとはいえ、わずかながら車両重量も増加しているだけに、走りっぷり全般におけるダルさ・重さを心配していたが……。それは一瞬にして杞憂に終わった。
新型コペンの楽しさは10mで理解できる。今回の試乗コースでいえば、最初のコーナーを走り抜けたあとに、僕は「楽しい」以外のほとんどの言葉がアタマのなかから消えてしまった。それくらい、このクルマの魅力はシンプルで、まっすぐ訴えかけてくる。