ルノー・オーストラル 詳細データテスト 上質なパワートレイン 広く質感の高い室内 4WSは要改善
公開 : 2023.07.29 20:25 更新 : 2023.08.11 18:20
ルノー独自のハイブリッドシステムは熟成を重ね、日常使いでは不満のない動力性能と優れた燃費を両立しています。難点はシャシー。4WSの不自然な反応とゴツゴツした乗り心地は、ファミリーカーとしては改善を望む部分です。
もくじ
ーはじめに
ー意匠と技術 ★★★★★★★★☆☆
ー内装 ★★★★★★★☆☆☆
ー走り ★★★★★★★★☆☆
ー使い勝手 ★★★★★★★★★☆
ー操舵/安定性 ★★★★★★☆☆☆☆
ー快適性/静粛性 ★★★★★☆☆☆☆☆
ー購入と維持 ★★★★★★★★☆☆
ースペック
ー結論 ★★★★★★★☆☆☆
はじめに
カルロス・ゴーンが2018年に逮捕されたのちに、彼が主導したルノー・日産・三菱アライアンスの存続が危ぶまれたことがあった。今のところ、変わらず維持されているが、それでも大幅な体制変更が求められた。
株式の保有比率はより平等なものに近づけられ、各ブランドごとに注力するセグメントや地域を明確化。また、そこで得られた経験を、他ブランドでも活用できるシステムが整備された。
しかしそれは、今年の早い時期に決まったばかりで、それ以前は緩やかなコラボレーションだった。そんな過渡期に生まれた新たなプロダクトのひとつが、今回のルノー・オーストラルだ。日産キャシュカイと同じCMF-CDプラットフォームを用いるが、共通要素はそれだけだ。
ルックスは似ても似つかず、インテリアやマルチメディアも別物。パワートレインのコンセプトもまったく異なる。フォルクスワーゲングループやステランティスのような、じつにわかりやすいコンポーネンツ共用とは、根本的にアプローチが違っている。
つまりオーストラルは、きわめて人気の、ライバルひしめくクラスにあって、興味を惹かれる独特な参入者だと言える。もっとも、競争は厳しいものの、心躍るようなクルマはほとんどないクラスなのだが。
英国に導入されるのはフルハイブリッドのE−テックのみで、ルノー独自のシンクロもクラッチもないギアボックスを用いるシステムを搭載する。ライバルはキア・スポーテージやヒョンデ・ツーソン、ホンダZR−V、そして遠縁的なキャシュカイあたりだ。