意外にも経済的なPHEV 10選 高価なのに売れている上級ハイブリッド車、合理的な選択肢
公開 : 2023.07.30 18:05
8. アウディA6 50 TFSI e
長所:抑制の効いた古典的アウディデザインの魅力、広々とした高品質のキャビン、オールラウンドな快適性と洗練性
短所:EV走行距離が短い、運転が楽しいクルマではない
アウディは、ドイツの同業他社ほどPHEV市場にコミットしておらず、かなり競争力のあるモデルもあるが、そうでないモデルもある。
A6(セダンおよびアバント)は、アウディの中でもクラシックなタイプだが、かなり魅力的なPHEVモデルが用意されている。A6 50 TFSI eの英国価格は6万ポンド(約1070万円)以下から、EV走行距離は最長68km。この距離ついてはお世辞にも素晴らしいとは言えないが、定期的かつ安価に充電でき、短距離移動が多いユーザーであれば、燃料消費量とランニングコストを十分抑えられるだろう。
アウディA6は、ブランドの現行ラインナップの中でも保守的でクラシカルだがハンサムな1台で、上級車らしい存在感と実用性、そしてインゴルシュタットらしい質実剛健なキャビンクオリティを備えている。快適で静かなA6は、ドライバーを疲れさせることなく何kmもの移動を落ち着いてこなすために作られている。スポーティセダンのようにわくわくさせることはないが、実に効率的だ。
9. メルセデス・ベンツCLA 250e
長所:憧れを抱かせる内容、スタイル、価値が見事に調和
短所:限られたキャビンの実用性、スポーティでないハンドリング
メルセデス・ベンツはガソリンベースの小型ハイブリッド・パワートレインを改善し、Aクラス、Bクラス、CLAクラスの「250e」のEV走行距離を向上させた。
CLAは、引き続きAUTOCAR英国編集部のイチオシである。多くのユーザーが現代の高級ブランドに求めるデザイン的魅力を持ち、4ドア・クーペとシューティングブレークの2種類のボディタイプが用意されているため、実用性重視のBクラスや、やや平凡なAクラス(英国では現在4ドア・セダンのA250eのみ購入可能)よりもわずかに魅力的なパッケージとなっている。
強化されたPHEVシステムはパフォーマンスを高めており、仕様によってはEV走行距離を77kmまで伸ばす。このサイズと価格で、これだけの航続距離を持つクルマはほとんどない。
10. フォルクスワーゲン・アルテオンeハイブリッド
長所:スタイリッシュ、広い
短所:一部と比較してブランド的な魅力に欠ける、前輪駆動のみ
フォルクスワーゲンの特別に魅力的なエグゼクティブカーであるアルテオンは、2020年後半にフェイスリフトされ、ファストバックとシューティングブレーキのボディタイプが選べるようになり、希望すればPHEVも搭載できるようになった。英国向けのフォルクスワーゲン・グループのモデルとしては、1.4L PHEVパワートレインを搭載した数少ないモデルの1台でもある。いずれにせよボディとパワートレインの変更によって、アルテオンの魅力はかなり広がった。AUTOCARの見解では、シューティングブレークは視覚的魅力を高め、ガソリンベースのハイブリッドはこのモデルを選ぶ合理的な論拠を強める。
アルテオンeハイブリッドは、フォルクスワーゲン・グループの1.4L TSIガソリンエンジンと114psの電気モーターを組み合わせており、前輪駆動のみなので、速くてエキサイティングなPHEVとはなり得ていない。しかし、洗練されたドライバビリティを持ち、WLTPで56~60km(ボディスタイルによって異なる)と謳われるEV走行距離は、実走行で約40kmに相当する。
長距離でのガソリンの経済性はやや期待外れであり、ダイナミクスの魅力も限られている。しかし、広くてゆったりとした選択肢として、また他の車種よりも安価な選択肢として、検討する価値はある。