あおり運転 厳罰化から3年 違反数や警察対応に変化は #ニュースその後
公開 : 2023.07.30 09:00 更新 : 2023.07.30 12:39
全国初 動画専用の情報提供窓口
あおり運転の防止、妨害運転の検挙において劇的な効果をもたらした岡山県警。岡山県警では全国で初めてウェブサイト上に専用の情報提供窓口を設置した。
事故や交通トラブルのシーンにおいて、ドライブレコーダーの映像は非常に有用性がある。それは警察も認めるところだ。同県警では窓口を開設してから1年間で1000件以上の情報が寄せられた。このうち妨害運転を含む38件の交通トラブルの検挙につなげたという。
なお、全国の警察の公式サイトにはそれぞれ妨害運転などの情報提供を映像として送ることができる窓口があるが、ほとんどの場合、使い勝手が非常に悪い。手間がかかるし、警察側の許可を得てからではないと映像を送ることができない。
そのような中、誕生した新たなシステムがある。2023年4月以降、全国の警察で本格運用がはじまった「110番映像通報システム」である。
110番映像通報システムとは
「110番映像通報システム」は、スマートフォンなどを介して通報者が撮影する映像を警察とリアルタイムに共有するシステムである。
ただしリアルタイムといってもビデオ通話のようなものではなく警察が構築した専用のシステムを介して通報する。
110番に通報して状況を伝えると警察から、「映像による通報に協力いただけないか?」と聞かれる。通報者のスマートフォンにショートメールが届く。記載されるURLに警察から口頭で伝えられたパスコードを入力してログインする。映像を共有する。
ドラレコ、あおり防止は不十分
あおり運転が社会問題となってから、ドライブレコーダーは急速に装着率が高まり、今や新車の場合は7〜8割とも言われる。
比較的安価な1万円以下のドライブレコーダーでも基本性能が充実した機体も増えてきた。
しかし、ここで重要なのは「ドライブレコーダーそのものがあおり運転の防止にはなるわけではない」ということである。
あくまでもあおり運転を受けた際に記録として残すためのものであり、ドライブレコーダーがあれば煽られないというわけではないのだ。
また「ドライブレコーダー録画中」のステッカーを貼っていれば抑止力になると思っている人もいるようだが、それも危険な考えだ。
あおり運転をおこなうような精神状態(=怒り狂っているような)のドライバーは、そのようなステッカーは視界に入っていても衝動を抑えられない。
逆に「ドライブレコーダー録画中」のステッカーを貼って追い越し車線をのんびり走り続けるようなドライバーは狙われやすいという見方もある。
ドライブレコーダーは運転状況や違反状況を映像に残す記録装置であるが、それ自体があおり運転をやめさせる能力を持っているわけではないということは覚えておきたい。
では、あおり運転と無縁で過ごす方法は無いのだろうか?