商用車と一線を画す走り味 フォルクスワーゲン・マルチバン 長期テスト(2) 撮影車に最適
公開 : 2023.08.06 09:45 更新 : 2023.08.24 09:15
商用車とは一線を画す走り味
最近は、大きなマルチバンに1人で乗ることが多い。空間はガランとしていても、快適で心地良い。運転席側には折りたたみ式のアームレストが用意され、ハーマン・カードンのステレオが最高の音質で音楽を楽しませてくれる。
ブルメスター社の技術者は、車内の環境が音質に大きな影響を与えると話していた。2シーター・クーペの車内は、ワンボックスのバンより音環境としては良くないという。
もちろん、本当の高音質で鑑賞するなら自宅のステレオが適しているし、筆者もその方が好きだ。とはいえ、マルチバンの内装素材やスクエアな空間は、音質へプラスに働いているように思う。
T7世代のマルチバンは、乗用車用プラットフォームをベースにしている。乗り心地の印象も乗用車に近く、背もたれが倒れ気味のドライビングポジションも快適だ。しかし、走行中には振動音や共鳴音が小さくない。
リアシートはスライド式で、取り外しも可能だから、避けられないことなのかもしれない。シートのハードウエアの一部が、エンジンの特定の周波数に共振する様子。それでも、商用車とは一線を画す走り味には、感心させられる。
235/55 R17という肉厚なブリヂストン・トゥランザは、しなやかに路面を掴む。長距離ドライブを安楽にこなせる、好ましいタイヤだ。重い荷物を後ろに積むと、揺れが落ち着き余計なノイズが抑えられ、一層快適になる。
テストデータ
気に入っているトコロ
スライドシート:レバーを1度引くとシートの固定が外れ、レールの上をスライドしたり、向きを回転できる。非常に便利。
ハイビーム:筆者は普段、オートハイビーム機能を頼ることはないが、マルチバンのそれは良く機能する。反応が遅れ、対向車からパッシングされたことはまだない。
気に入らないトコロ
シートヒーター:インフォテインメント・システムが起動するまで、シートヒーターをオンにできない。
デフロスター:フロントガラスのデフロスターは、視線の外にあるタッチセンサーで操作する。走行中は、オンにすることが難しい。
テスト車について
モデル名:フォルクスワーゲン・マルチバン 1.4TSI eハイブリッド 218ps スタイル(T7/英国仕様)
新車価格:5万9545ポンド(約1071万円)
テスト車の価格:6万6619ポンド(約1191万円)
テストの記録
燃費:13.2km/L
故障:なし
出費:なし