ルノー・イオラボ・コンセプト
公開 : 2014.10.14 23:40 更新 : 2017.05.29 19:22
アルミキャストはフロントのサスペンション・ストラット・マウントとCピラー、リアのクオーター・パネルに用いられる。前側のドアパネルにはマグネシウムキャスト・フレームが使用され、内側には熱可塑性プラスチックが用いられる。ちなみにボンネットも熱可塑性プラスチックとなる。
排気システムにもダイエットが図られ、従来の半分の長さになっている。リアアクスルはアルミ製のトレーリングアームと複合梁を組み合わせ、窓ガラスは非常にうすくなった。またコンチネンタル社の新しいコンセプト・プロダクションをベースにした小さく軽いブレーキシステムも使用している。
35%軽量になり、またコンパクトになったシートフレームはこのクルマの専用パーツ。インテリアのトリムや素材も見直され、これもまた専用設計だ。超軽量なヒート・ダクトは2.3kgのダイエットに貢献。145/70のタイヤと17インチのホイールはミシュランによって設計された。
ボディ構造の見直しにより130kg軽くなり、トリムと装備品が90kg、エンジン周辺部分が30kg、パワートレイン関係が60kg、電気装備品が20kg軽くなっている。1205kgの123psを発揮するTCeガソリン・エンジンのクリオに比べると、91psのTCeエンジンをもつクリオはわずか805kgしかない。
この車重に145kg分のハイブリッド・トランスミッションとバッテリー・パックが加わる。しかしながらこれによって99.8km/ℓという超高燃費を達成するに至った。
またリアのルーフラインを低くするだけでなく、横方向の幅も窄ませている。これがイオラボのデザインを象徴する形にもなっている。リアには可変フラップも加えられ、70km/h以上の速度域ではこのフラップが開き車両後方の乱流を整える。またフロント部分にも可変スポイラーが組み合わされ、ホイールにも可変フラップが取り付けられる。ホイールのフラップは高速域においてホイールに生じる乱気流を整える目的である。
さらにエアサスペンションを用いることにより、車高を調整し、アクセスのし安さ、市街地での利便性、高速域での抵抗の削減を高める。またワインディングでのロール低減機能も司る。
”仮にハイブリッドではなく、90TCeターボ・エンジンのみでイオラボを動かせば35.4km/ℓは軽く超えられるでしょう” とエンジニアが言っていたことが強く印象にのこっている。
(ヒルトン・ホロウェイ)