ザ・グランドツアラー ベントレー・コンチネンタルGT フェラーリ612 スカリエッティ アストン マーティンDB9 3台比較 中編
公開 : 2023.08.13 07:06
不満が頭から消える鮮明な一体感
パワートレインは、ヴァンキッシュに搭載されていた5935cc自然吸気V型12気筒のアップデート版。456ps/6000rpmと57.9kg-m/5000rpmを発揮し、パドル操作可能なZF社製6速ATか、グラツィアーノ社製の6速MTが受け止めた。
サスペンションは、612 スカリエッティと同じく前後ともダブルウイッシュボーン式。コイルスプリングが支えた。
今回、ブラックのDB9をお持ちいただいたのは、リズ・コンスタンス氏。コンチネンタルGTや612 スカリエッティに対峙する存在感へ見惚れつつ、長いドアを開くと少し期待を裏切られる。
ステアリングホイールは、特に個性的とはいえない3スポーク。ブラックのレザーで内装は包まれているものの、大きくカーブを描くセンターコンソールのパネルは、フェイクのアルミ。ジェームズ・ボンドの相棒というより、フォード・モンデオに印象は近い。
+2のリアシートも、今回の3台では最小。恐らく10歳程度の子どもでも、長時間は座りたがらないだろう。荷室は170Lしかない。
とはいえ、6.0L V12エンジンを始動し、ドライブボタンを押し、アクセルペダルを傾ければ、そんな不満は些細なこととして頭から消える。回転数を高める前から、鮮明な一体感に心が奪われる。
走行距離は7万5000km以上へ伸びているが、ボディシェルは新車時と変わらず強固。ステアリングホイールにもブレーキにも、カシっとしたタッチがある。
この続きは後編にて。