ザ・グランドツアラー ベントレー・コンチネンタルGT フェラーリ612 スカリエッティ アストン マーティンDB9 3台比較 中編

公開 : 2023.08.13 07:06

不満が頭から消える鮮明な一体感

パワートレインは、ヴァンキッシュに搭載されていた5935cc自然吸気V型12気筒のアップデート版。456ps/6000rpmと57.9kg-m/5000rpmを発揮し、パドル操作可能なZF社製6速ATか、グラツィアーノ社製の6速MTが受け止めた。

サスペンションは、612 スカリエッティと同じく前後ともダブルウイッシュボーン式。コイルスプリングが支えた。

アストン マーティンDB9(2004〜2012年/英国仕様)
アストン マーティンDB9(2004〜2012年/英国仕様)

今回、ブラックのDB9をお持ちいただいたのは、リズ・コンスタンス氏。コンチネンタルGTや612 スカリエッティに対峙する存在感へ見惚れつつ、長いドアを開くと少し期待を裏切られる。

ステアリングホイールは、特に個性的とはいえない3スポーク。ブラックのレザーで内装は包まれているものの、大きくカーブを描くセンターコンソールのパネルは、フェイクのアルミ。ジェームズ・ボンドの相棒というより、フォード・モンデオに印象は近い。

+2のリアシートも、今回の3台では最小。恐らく10歳程度の子どもでも、長時間は座りたがらないだろう。荷室は170Lしかない。

とはいえ、6.0L V12エンジンを始動し、ドライブボタンを押し、アクセルペダルを傾ければ、そんな不満は些細なこととして頭から消える。回転数を高める前から、鮮明な一体感に心が奪われる。

走行距離は7万5000km以上へ伸びているが、ボディシェルは新車時と変わらず強固。ステアリングホイールにもブレーキにも、カシっとしたタッチがある。

この続きは後編にて。

記事に関わった人々

  • 執筆

    サイモン・ハックナル

    Simon Hucknall

    英国編集部ライター
  • 撮影

    マックス・エドレストン

    Max Edleston

    英国編集部フォトグラファー
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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