どろどろ悪路 走らせてみた(前編) ジープ・コマンダー
公開 : 2023.08.01 17:15
コマンダーの懐深さ
2Lディーゼルは近頃、珍しいぐらい、カラカラとディーゼルらしいアイドリング音を放つ。走り出してもピックアップは決して鋭くはないが、穏やかなトルクカーブの盛り上がりに応じつつ力強く鷹揚な加速に、不足は感じない。
ステアリングの操舵量もオンロードで走る限りは多めに感じる。でも、このひと時代かふた時代ぐらい旧い感覚のドライバビリティが、嫌になるどころかクセになりそうな、そういう懐深さをコマンダーはあわせもつ。
今回は試さなかったが、「4WD LOCK」や「4WD LOW」といったデフロックやローギアード切替モードはボタン1つで、「サンド/マッド」「スノー」「AUTO」という路面状況に応じた「セレクテレインシステム」切替もトグルスイッチ。つまりインターフェイスはデジタル世代そのもので、従来のジープならレバーでガコンと入れるか、ダイヤルで回すものだったはずだ。
利便性として変えるべきもの、逆に雰囲気の側に属するものとして変わって欲しくないもの、それらの区別と取捨選択が巧みになされた最新のジープ、それがコマンダーだと思う。
では続いて、対極の存在ともいえるラングラー・アンリミテッド・サハラ2.0Lは、富士ヶ峯オフロードでどんなふるまいを見せたか?(続きは後編にて)