text & photo:Hiroshi Yoshida (吉田 弘)
ロサンゼルス南部に位置するロングビーチの、かつての大西洋横断客船クィーンメリー号が係留された公園で、日本車限定のクラシックカーショーが開催された。クラシックカーと言ってもいわゆる「旧車」のイベントである。「ジャパニーズ・クラシックカー・ショー」と呼ばれるこのショーには400台以上の日本車が参加している。
2005年に初回が開催され、今年は10周年を迎えた。昨年までは特定のメイクスをフィーチャーして行われたが、今年はその枠がはずされた。トヨタ、ニッサン、ホンダ、マツダのクルマが多いのは現地での販売実績を示しているのだろう。スズキ、いすゞやスバルなどは元々台数が少ないが、今回はダイハツ・シャレードがレアカー部門のベストに選ばれた。
トヨタ、ホンダ、マツダは西海岸の拠点の協力で、コンセプトカーや貴重なレース仕様車などを出品した。パーツメーカーも特設ブースを設け、自社製品のPRを行っていた。1日限りのイベントとあって、カリフォルニア州以外からも観客が集まってくるこのショー、今や西海岸の日本車ファンにとり、年に一度の大きなお祭りとなってきたようだ。
‘70年代のアメリカで日本車人気向上に一役買ったBREは、ダットサン240Zの再生に取り組んでいる。
一般客の入場前にレストアされた240Zが、BREのピート・ブロック氏によりアンベイルされた。
会場の中央までピート・ブロック氏と当時のドライバー、ジョン・モートン氏が仲良く並んでドライブした。
先日のラグナセカを走ったトヨタ・スポーツ800が、ゲストとしてトヨタUSAの展示に加わった。
ランドクルーザーのホットロッドも参加。FJ40のボディパネル、NASCARカムリの5?エンジンを積む。
3代目コロナ・ハードトップがトヨタUSAブースに並ぶ。60年代のクルマが現役なのは乾燥した気候のおかげ。
マツダは25周年を迎えたロードスターの新型を持ち込んだ。最新モデルに観客の関心は高かった。
マツダ・ノースアメリカンが所有する貴重なクルマも展示された。今年はロードスター・クーペが披露された。
日本でも滅多に見られないグッドコンディションを保ったいすゞ・インパルス(ピアッツァ)も姿を見せた。
ホットウィールに影響されたのか、ミニカーのカラーリングを実車で再現したダットサン510ワゴンを発見。
カマロのオレンジでペイントされた260Zと510の2台のJ's。マツダのスタッフが自らレストアしたもの。
ホットウィール・デザイナーのジュン・イマイ氏所有の260Zは、カラーリングに手を加えて今年も出品された。
アメリカでの日本車熱は、輸入されていない車種にも広がっている。ハコスカはその代表的な存在である。
このギャランGTO MRも近年日本から持ち込まれたもの。ナンバーもちゃんと製作されていた。
クラシックと呼ぶに相応しいクルマと言えばP310ダットサン・ブルーバードだろう。それも貴重なワゴン!
フェアレディZのレンダリングを再現すべく作られたスポーツワゴン、ファンタムZ。観客の関心も高かった。
西海岸らしくホンダCR-Xをベースにしたコンバーチブル。アメリカの工房で一定台数が改造、販売された。
今回のレアカー部門のベストには、いまや日本でも見かけないダイハツ・シャレードが選ばれた。
昨年から二輪車にも門戸が開かれ、今年もCB750、CB450やCB77などのクラシックバイクが姿を見せた。
イベントのバナーには「旧車集会」の文字が。彼地でいかに日本車が愛されているかを物語る。
このショー唯一のミニカーブース。終日日本車好きで賑わっており、HWやトミカの売れ行きが好調だった。