いいぞ、ホンダ新型「Nボックス」! デザイン/内装の注目点は? 2023年秋にフルモデルチェンジ

公開 : 2023.08.03 11:46

内装 見晴らし重視+カドマル

インテリアデザイン担当の藤原名美氏は、友達や仲間が楽しく集える、そんな空間を目指した。

まず、インテリア全体を1つのラウンドリビングと考える。

新型ホンダNボックス・ファッションスタイルの前席(内装色:グレージュ×グレー)
新型ホンダNボックス・ファッションスタイルの前席(内装色:グレージュ×グレー)    池之平昌信

乗員みんなをぐるっと優しく包む空間は、インパネ〜ドア〜シートと、シームレスに繋げ、誰もが会話を楽しむことができる。

インパネやトレイ端末などはカドを丸めた、人にやさしい「カドマル処理」を採用して、やさしい印象を与えた。

また、従来型ではステアリングホイールの上から見ていたメーターだが、新型ではインホイールメーターを採用し。インパネ上面はフラットでスッキリ見やすい視界が広がる。

そして各部を水平・直線基調とすることで進行方向が見やすく、また車幅やロール姿勢などもつかみやすくなっている。

メーターは軽自動車初の7インチTFTの全面液晶タイプを採用。ホンダセンシングの表示は見やすく、シフトポジションなどの表示内容はゾーニングすることで視認性を高めた。

困っていた充電ケーブルも

さらに、トランクサイドライニングにグリップ状のくぼみを設けて子どもや高齢者が乗り降りしやすくしたり、トランクサイドポケットはボックスティッシュが入るよう大型化。

また、子どもがオモチャで遊べるようなスピーカーのスリットなど、リア空間で子どもが楽しんでドライバーは安心して過ごせる、そんな空間も目指した。

新型ホンダNボックス・カスタムの後席(内装色:ブラック)
新型ホンダNボックス・カスタムの後席(内装色:ブラック)    池之平昌信

ほかにも、出窓風にデザインしてコルク風の素材も採用し、思わずディスプレイしたくなるようなインパネトレー、従来型の約2倍の容量とした下段グローブボックスなどを採用。

さらに、グローブボックスのフタは、充電コードを挟まないように一部をスリット形状にするなど、使いやすさを考慮している。

スーパーハイトワゴン市場について

Nボックスのような、軽スーパーハイトワゴンは相変わらず高人気が続いている。

2023年前半の軽乗用車の車名別新車販売台数では、1位がNボックス(11万2248台)、2位がダイハツタント(8万85台)、4位がスズキスペーシア(6万75台)、6位が日産ルークス(3万7920台)と、上位にこのカテゴリーが並ぶ。

新型ホンダNボックス・カスタム・コーディネートスタイル(スレートグレーパール 2トーン)。奥はNボックス・ファッションスタイル(オータムイエローパール)。
新型ホンダNボックス・カスタム・コーディネートスタイル(スレートグレーパール 2トーン)。奥はNボックス・ファッションスタイル(オータムイエローパール)。    池之平昌信

乗用車を合わせた順位でも、軽スーパーハイトワゴンが優勢だ。

Nボックスはモデル末期ながら前年比108%の実績。しかし、タントは前年比181.2%、スペーシアは前年比126%と好調。

絶対王者であるNボックスに対し、タントは「ファンクロス」、スペーシアは「カスタム」や「ベース(これは商用車扱いだが)」といったバリエーションを拡大し、その座に迫ろうとしている。

今回、内外装が明らかになった新型「Nボックス」は、従来型と同様の標準系とカスタム系だけだったが、いずれはクロスオーバー系の「Nボックス・クロスター(?)」の登場もあるのだろうか。

また、パワートレインは正式には非公開だが、ターボ&ノンターボに加えて、いずれはマイルドハイブリッドやEVも登場するのだろうか。

デザインを見ただけでも、新型Nボックスにはヒットの予感を抱かずにはいられない。今後もNボックスを軸とした軽スーパーハイトワゴンの人気は続くことだろう。

まずは、今秋(9月下旬と噂されている)の正式発表まで、楽しみに待つことにしよう。

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    AUTOCAR JAPAN

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    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の日本版。

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