一度見たら忘れないホイールデザイン 23選 外観を決定づけた象徴的なアイテム

公開 : 2023.08.06 18:05

クルマの印象を左右し、ハンドリングなど走行性能にも大きな影響を与えるホイール。特定の車種やブランド、時代性を象徴するような素晴らしいホイールデザインを振り返ります。

象徴的なホイールデザイン

ホイールは、クルマの外観と魅力度を左右する重要な要素である。と同時に、ブレーキの冷却性能、耐久性、ハンドリングといった走行性能に大きな影響を与えるアイテムでもある。

自動車が普及しはじめて以来、さまざまなホイールデザインが誕生し、あるものはメーカーの純正品として、またあるものはアフターマーケット品として販売されてきた。適切なホイールを選ぶことは、クルマのスタイルとパフォーマンスに劇的な効果をもたらす。

23の象徴的なホイールデザインを取り上げる。
23の象徴的なホイールデザインを取り上げる。

今回は、ブランドや車種、時代を象徴するようなメモリアルなホイールを振り返りたい。

ブガッティ・タイプ35(1924年)

ブガッティは、1920年代に主流だったスチールホイールやワイヤーホイールに代わる、はるかに軽量で強靭な合金製ホイールをいち早く採用した。1924年のタイプ35にはワイヤーホイールが装着されたが、ボートテール・ボディやレースのDNAと同様に、クラシックな8本スポークの合金ホイールもその魅力の一部となっている。

19インチの鋳造合金ホイールはエットーレ・ブガッティ氏自身がデザインしたもので、ホイールセンターの一部としてブレーキドラムが組み込まれていた。取り外し可能なリム構造により、ブレーキに触れることなくタイヤを交換することができる。当初は32本のネジで固定されていたが、軽量化と整備性のため24本に変更された。

ブガッティ・タイプ35(1924年)
ブガッティ・タイプ35(1924年)

ダンロップ・レーシング(1954年)

ジャガーは、新しい技術アイデアを試す場としてレースを積極的に活用しており、Dタイプに装着されたダンロップ・レーシングもまさにそうして鍛えられたものだった。当時、ほとんどのクルマがまだ重いワイヤーホイールを使用していたのに対し、ダンロップ・レーシングはダイキャスト製のセンターをアウターリムに固定した軽量アルミニウム製だった。

くすんだグレーのアルミカラーで仕上げられ、Dタイプのル・マンでの活躍を支えたことから、オースチンヒーレーをはじめとする他の自動車メーカーからもすぐに注目されるようになった。MGのレーシングカー用にダンロップが製造した「Mタイプ」というホイールもあり、こちらは4本のスタッドボルボ(ジャガーは5本)を使用している。

ダンロップ・レーシング(1954年)
ダンロップ・レーシング(1954年)

ミニライト(1962年)

ミニライト・ホイールは50年以上の歴史を持ち、その時代を超越したデザインのおかげで今なお健在である。当初は、その名前の由来となったミニ用の軽量10インチホイールとして開発され、主にレースやラリーでの使用を視野に入れていた。その後、需要は急増し、ミニライトはあらゆる競技車や市販車にさまざまなサイズのホイールを供給するようになる。

現在も英国で生産されているが、オリジナルのマグネシウム合金ではなく、アルミダイキャスト製となっている。オリジナルはジョン・フォード氏とデレク・パワー氏がデザインしたもので、世界で最も多くのクルマをモータースポーツの成功に導いたと言われている。この活躍に一役買っているのが、当時すぐに焼き付いてしまうブレーキに冷却風を送り込むよう考慮された設計である。

ミニライト(1962年)
ミニライト(1962年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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