一度見たら忘れないホイールデザイン 23選 外観を決定づけた象徴的なアイテム
公開 : 2023.08.06 18:05
モーガン・プラス8(1968年)
1968年に発売されたプラス8は、スタイリングこそ従来のモーガンと同じように見えたかもしれないが、最高出力157ps、最大トルク30.4kg-mを誇るローバーV8が搭載されたため、ワイヤーホイールでは対応できなくなった。その結果、モーガンは5本のスタッドボルトを持つ15インチのマグネシウム合金製ホイールを開発した。
スタッドの穴は、V8エンジンの大トルクを受けても変形しないように、スチール製のインサートで保護する必要があった。その後、モーガンは50年に及ぶ生産期間の後半で、エンジンパワーに対応できるワイヤーホイールをプラス8に導入したが、5リブのオリジナルホイールは同車の決定的なアイテムであり続けている。
メルセデス・バロック(1969年)
1960年代後半までは、塗装されたハブキャップ付きのスチールホイールで十分だったのだが、メルセデス・ベンツは合金ホイールが必要だと考えるようになった。開発されたホイールは、その複雑なデザインからバロックと名付けられ、メルセデスのすべての高級モデルに必要とみなされると、Sクラス、Eクラス、SLに採用された。
ポルシェと同様、メルセデスのホイールも軽量で強靭な鍛造合金のパイオニアであるフックスによって製造された。「メキシカンハット」とも呼ばれるこのホイールは、装備に対するミニマリスト的なアプローチから、Sクラスでさえ標準装備ではなくオプションだった。
フォードRS(1970年)
1970年のロンドン~メキシコ・ワールドカップ・ラリーで優勝したフォードは、この名声に乗じてエスコート・メキシコに4本スポーク・デザインを初めて採用した。最高出力87psの1.6Lエンジンは十分に元気だったが、このホイールのおかげでもっと速く見えた。
RSホイールはすぐに、カプリやフィエスタなどフォードのスポーティモデルに装着される象徴的なアイテムとなった。初期バージョンはGKN社製であったが、スポークを太くして強度と耐久性を高めた後期バージョンはフォード社内で製造された。
ウォルフレース・スロットマグ(1971年)
ウォルフレースは、1970年代初頭のカスタムカーやキットカーの流行にぴったりだった。同社のスロットマグは、英国で広く販売された初めてのポリッシュ仕上げホイールで、1974年にドイツの厳しいTUVテストに合格したこともあり、グローバルで成功を収めた。
シンプルな5本スポークのデザイン、さまざまなサイズと幅が用意され、1977年にリライアント・シミターの標準装備にもなった。同年、このホイールは映画007シリーズ『私を愛したスパイ(原題:The Spy Who Loved Me)』で使用されたロータス・エスプリに装着され、ジェームズ・ボンド役のロジャー・ムーア氏とともに陸海を駆け巡り、世界的に名を馳せた。