一度見たら忘れないホイールデザイン 23選 外観を決定づけた象徴的なアイテム

公開 : 2023.08.06 18:05

BBSクロススポーク(1972年)

一般的にはBBSとして知られるバウムガルトナー・ブランド・シルタッハ(Baumgartner Brand Schiltach)社。その3ピース・クロススポーク合金ホイールは、あらゆるパフォーマンスカーやレーシングカーを支えてきた。同社は1970年にプラスチック製車体部品の販売を開始したが、モータースポーツへの関わりから、1972年に合金ホイールのデザインを思いつく。

軽くて丈夫なホイールが求められていたことに着目したBBSは、鍛造のセンターとリムを2分割した3ピースの合金ホイールを開発。これにより、ホイール幅のバリエーションが容易になったが、センターとリムの間には気密性を保持するガスケットが装着されている。

BBSクロススポーク(1972年)
BBSクロススポーク(1972年)

BMW 750iLディッシュ・アロイ(1987年)

BMWが1987年にスーパースムーズな5.0L V12エンジン「M70型」を発表する際、できるだけスタイリッシュに見せる必要があった。そこで、新型のE32型7シリーズにそのまま搭載するのではなく、ロングホイールベースの750iLに専用の「ディッシュ(皿)」ホイールを装着することにしたのだ。その翌年に登場した標準の750iは、他の7シリーズと同じくマルチスポークだった。

このディッシュが素敵だったのは、第一に見栄えが良かったこと、第二に、728iに乗っている他の人よりも自分のクルマに2倍近くお金をかけていることを示すサインが他にほとんどなかったことである。短い生涯を終えた後、理由は不明だが1989年に廃止された。

BMW 750iLディッシュ・アロイ(1987年)
BMW 750iLディッシュ・アロイ(1987年)

ランチア・ストラトス(1973年)

ランチア・ストラトスが1973年にラリー用新兵器として発表されたとき、その魅力を補うかのように、クラシックなホイールデザインが採用されていた。イタリアのカンパニョーロ社が製造し、究極の軽さを実現するために鋳造マグネシウム合金を使用したこのホイールには、その形状から「コフィン・スポーク(棺桶のスポーク)」というニックネームが付けられた。

ストラトスには他のデザインのホイールも用意されていたが、ラリーカーの代名詞となったのは、このカンパニョーロ社のリムだ。短いホイールベースと最大12インチ幅のリアホイールにより、他と見紛うことのないスタンスと存在感を放っている。今日、オリジナルの生き残り500台は貴重なコレクターズアイテムとなっており、その価格は最高50万ポンド(約9000万円)に達する。

ランチア・ストラトス(1973年)
ランチア・ストラトス(1973年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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