待望の2L直列4気筒 ロータス・エミーラ 英国で乗ってきた

公開 : 2023.08.08 09:00

待望の2L直列4気筒搭載車。ロータス・エミーラ・ファーストエディションに吉田拓生が英国で試乗。

史上最強の4気筒を得たロータス

先頃開催されたグッドウッド・フェスティバル・オブ・スピードにおいて一般に初めて公開されたロータス・エミーラの直列4気筒エンジン搭載モデル、その名も「エミーラ」。イベントの直後、プレスへの試乗貸し出しがはじまったタイミングで筆者(吉田拓生)はノーウィッチを訪れ、そのステアリングを握ることができた。

エミーラは発表当初からV型6気筒と直列4気筒という2つのパワートレインが用意されるとアナウンスされていたが、第一弾としていち早くデビューしたのはV6モデルの方だった。

ロータス・エミーラ・ファーストエディション
ロータス・エミーラ・ファーストエディション    ロータス

フロントエンジンのモデルで複数のエンジン形式が用意されることはあるが、ミドシップのスポーツカーでは珍しい。エミーラ以外ではポルシェが718ケイマンに4気筒と6気筒を載せていることくらいだろう。

エミーラが搭載するメルセデスAMG製の2L直列4気筒ターボ・エンジンは、4気筒世界最高の出力を誇るM139型。メルセデスAMG A 45 S 4マティックのパワーユニットと言えばわかるだろうか。

421psを発生するA 45用に対し、ロータスがエミーラ用にリセッティングしたユニットの最高出力は365psに設定されている。若干控えめな数値ではあるが、それでもロータス史上最強の4気筒という肩書がついている。

一方MTとトルコンATが選べるV6に対し、直4モデルは8速ATのみ。ついにロータスがアルピーヌA110アルファ・ロメオ4Cと同じくDCT(デュアルクラッチトランスミッション)を手に入れたのである。

静か なめらか V6との違い

新しくなったロータスのファクトリー前に止められたセネカブルーのエミーラ。外観から直4モデルとわかる箇所はエンブレムも含めて皆無といっていい。リアウインドウ越しにエンジンのカバーを確認しなければグレードの特定はできないのである。

3種類が用意されているエミーラ用のホイールも、全てのタイプがV6と直4で選択可能なのでグレード判別の材料にならない。

外観から直4モデルとわかる箇所はエンブレムも含めて皆無といっていい。
外観から直4モデルとわかる箇所はエンブレムも含めて皆無といっていい。    ロータス

筆者が試乗したエミーラはスポーツ・シャシーがインストールされていた。具体的にはアップレートされたアイバッハのコイルスプリングとビルシュタインのショックアブソーバー、タイヤはミシュランのパイロット・スポーツカップ2LTSが装着されている。

運転席からの眺めはV6モデルと同じといっていい。個人的にはAT用のシフトレバーは初めて目にする。ツアーモードを選び、ヘセルのテストトラックにコースインした。

ATモードのまま流して走る限り、、直4モデルの室内は非常に静かで洗練された乗り物に感じられる。ツアーモードではシフトアップも早めかつ滑らかで、「史上最強の4気筒」の片鱗も伺えない。

少し硬めになっているはずの「スポーツ・シャシー」だが、以前走った時よりはるかに平滑な路面になったヘセルのおかげで違和感も全くない。

直4モデルはトヨタ・ロータスの3.5L V6の鋭い吹け上がりと音による主張が強めなV6モデルの第一印象とははっきりと異なるのだ。

記事に関わった人々

  • 吉田拓生

    Takuo Yoshida

    1972年生まれ。編集部員を経てモータリングライターとして独立。新旧あらゆるクルマの評価が得意。MGBとMGミジェット(レーシング)が趣味車。フィアット・パンダ4x4/メルセデスBクラスがアシグルマ。森に棲み、畑を耕し蜜蜂の世話をし、薪を割るカントリーライフの実践者でもあるため、農道のポルシェ(スバル・サンバー・トラック)を溺愛。

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