ダッヂ・チャレンジャーSRTヘルキャット

公開 : 2014.10.16 23:40  更新 : 2015.06.16 16:47

■どんな感じ?

乗ってみれば、やはりボディの巨大さは感じざるを得ないし、サポートが希薄なシートの座面位置も非常に高い。どうしてこんなに大きいの?と途方に暮れる向きがいても何ら不思議ではない。

717psのV8エンジンをいざ始動させれば、直後に怒り狂ったかのようなエグゾーストノートが響き渡る。この瞬間に古いプラットフォームを使っていようが、もうどうでもいいわ…と思うはず。

200km/hまでの到達タイムは11.2秒。チャレンジャーよりも533kg軽く、2倍高価なポルシェ911 GT3と同程度、と言えばどれほどの ’事件’ かがわかるかもしれない。仮に ’いろいろなことを’ 覚悟すれば、GT3よりも4.8km/h速い320km/hまで到達することが可能だ。もちろんわれわれはもっと ’平和的な’ 速度で走ったのだけれど、その際のシャシー・フィールはポルシェの圧勝であった。

チャレンジャーのシャシーに関しても、全くもってダメだと言うわけではないので悪しからず。コーナーの続く道路を攻めれば鋭敏に鼻先の向きを変えるようなキャラクターではないのだけれど、むしろボディの攀じれが面白かったりもするのだ。ホイールスピンやとんでもない角度のドリフトのオンパレードなのは言うまでもないが、決して手に負えない怖さではない。

スタビリティ・コントロール・システムをトラック・モードにしても完全に落ち着いているし、8速オートマティック・ギアボックスによる変速も見事。マニュアル・モードで操作すれば3、4速あたりでもまだ後輪が空転しているのがミラーの映しだす煙でわかる。

車重やサイズを考えれば、いかにクライスラーのエンジニアリングが成功しているかがわかる。3つのモードで制御されるビルシュタインのダンパーや390mmのブレンボ製ブレーキ、LSDが重要なキーとなっているのだろう。

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