1度は乗りたい2+2 ポルシェ911 ルノー・アルピーヌ フェラーリ・モンディアル ロータス・エクセル 4台比較 後編
公開 : 2023.08.20 08:07
完璧ではないバランスの動的特性も個性
走行中は、熱せられたプラスティック部品が特有の匂いを放つ。インテリアのデザインは、どこか説得力に欠ける。それでも、エクセルには得もいわれぬ魅力が漂う。
「エクセル・セレブレーションの印象は、最後のフロントエンジン・ロータスに相応しい。最高なエスプリを持ってきても、気が移るようなことはないでしょう」。と、現オーナーのロブ・メプステッド氏が笑顔で話す。
しなやかなドライビング体験は、流麗なスタイリングと調和している。現在の英国では、コストパフォーマンスも秀抜。気持ち良いエンジンに洗練された内装で、長距離にも問題なく使えるクラシック・ロータスだ。
新車時は充分な人気を得られなかったが、エスプリへ共感する層にとっては、従来以上に惹かれる存在になっているのではないだろうか。同じくらい走りが軽快で、優れたマナーとインテリアを備えた同時期のモデルが存在するとしても。
ルノー・アルピーヌ GTA V6ターボは、少々上品すぎるかもしれない。スーパーカーを上級役員にも親しみやすいクルマへしようという、ルノーの意志を感じる。
大胆な見た目やTURBOのグラフィックとは裏腹に、2.5L V6ターボエンジンの特徴は控えめ。高回転域まで引っ張ればパワーが高まり、過給されるサウンドも好ましいが、1番の得意分野は大陸横断のような高速での長距離クルージングだ。
とはいえ、クラシカルなリアエンジン・スポーツカーとして、バランスが完璧ではない動的特性も現在では個性の1つ。宇宙船のようなスタイリングは、新鮮にすら映る。
最もドライバーを満たすモンディアル
この4台で最も高性能なのは、ポルシェ911 カレラ3.2だろう。クラシック・ポルシェの人気が高止まりしている現在は、他の3台より多くの羨望を集めるモデルでもあるはず。
リアシートへ大人を座らせることは、現実的に難しいかもしれない。だが、Gシリーズの911には、多少の不便を受け入れたいと思わせる恒久的な魅力がある。
それ以上に、1980年代の2+2スポーツとして最もドライバーを満たすのは、フェラーリ・モンディアルだと思う。期待を超えるドラマチックさと、実用性を兼ね備えている。ディティールまで、しっかりイタリアン・エキゾチックしているのがうれしい。
協力:ウィルトシャー・ウィックボトム・バーン、ロータスビッツ、ジョン・ロー・エンジニアリング
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