スコダ・ファビア1.4TDI SE
公開 : 2014.10.17 23:40 更新 : 2017.05.29 18:40
ファビア ’S’ を選択すればこちらのエンジンが組み合わされることになる。この場合DABラジオ、ブルートゥース、電動調整式のヒーター付きミラー、リモート・ロック、ストップ-スタート・システム、電動フロント・ガラスが最初から装備されるがエアコン・レス仕様となる。
ここから更に£1,300(22万円)を支払えばSEとなり、エアコンやレザー巻きの3本スポーク・ステアリング、15インチ・アロイ・ホイール、トリップ・コンピューター、スマートフォンの画面をカラー液晶に表示できる ’ミラー・リンク’、サラウンド・オーディオ、前方の車両や障害物などを感知する ’フロント・アシスト’ 自動ブレーキが付いてくる。一見すると豊富な装備ばかりに目が行きそうだけれど、店頭販売価格は£15,390(260万円)まで跳ね上がる点には注意が必要だ。
■どんな感じ?
今回のテストでは、でこぼこの田舎道から、チリひとつないEUのモーターウェイまでを接続する、ポルトガルはリスボンの道路を使用した。その結果、ファビアには驚くべき路面追従性があることが発覚。単なる小型車のふるまいとは全く異なった次元の走りを見せてくれた。
細かな凹凸が続く路面でも、大きい周期うねりをともなう路面でも、冷静に対処できているのはダンパーとスプリングの味付けの良さのおかげなのだろう。タイヤノイズのコントロールにも驚かずにはいられない。
ポルトガルの山道を走らせた際は、滑らかなステアリングと、素早いレスポンスのおかげで終始安心してコントロールすることができた。よくあるシティカーは、どうしても運転した際の楽しさや満足度などは二の次になりかねないのだが、スコダのシャシー開発チームは全くもって妥協しなかったようだ。ここまで素晴らしいクルマが作れることがわかった今、脆く危うい乗り味のスコダ・ラピッドやオクタビアの今後にも期待が持てそうだ。
モータウェイでのウインドノイズの抑制も素晴らしい。3気筒のディーゼルは、やはり独特な音を響かせるが、思い切りよくアクセルを踏み込んだ際も耳障りだと感じることはなかった。
ディーゼルゆえの頭打ちは明確に感じるものの、すかさずクロースした6速マニュアル・ギアボックスが手助けを行うことによりドライバーの不満の誘発は回避できていた。シフト・フィールやペダルの踏み心地に関してもさすがはフォルクスワーゲン。絶妙のひとことだ。
新型ファビアの中でもこちらのグレードは、試乗した者の心を大きく揺り動かすと言っていい。充分な速さがあり、九十九折においても簡単に、そして首尾よく鼻先の向きを変えることができる。スコダが声高にアピールする ’SIMPLY CLEVER(シンプリー・クレバー)’ な要素はあまり目立ってはいないけれど、少なくとも実用性に関しては間違いない。