フォルクスワーゲン新型キャンピングカー「カリフォルニア」 PHEV、8月25日発表へ 両側スライドドアも

公開 : 2023.08.08 18:05

フォルクスワーゲンはキャンピングカーの新型カリフォルニアを8月25日に発表し、2024年に発売予定です。7人乗りミニバンのマルチバンをベースに、PHEVシステムと両側スライドドアを採用すると予想されます。

新世代のPHEVキャンピングカー登場

フォルクスワーゲン・コマーシャル・ビークル(VWの商用車部門)は、マルチバンをベースとした次世代キャンピングカー「カリフォルニア」にプラグインハイブリッド・パワートレインを搭載し、2024年に発売することを明らかにした。

同社は8月25日に新型カリフォルニアを正式発表する予定で、今回2枚のデザインスケッチを公開している。

フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプトのデザインスケッチ
フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプトのデザインスケッチ    フォルクスワーゲン

詳細はまだ明らかにされていないが、ポップアウトルーフと左右2枚の両側スライドドアが採用される見込み。これは、英国など右ハンドル市場のユーザーの要望を反映したものだろう。現行型のT6.1は右側しか開かないため、特に路上での後席乗員の乗降にやや難がある。

また、室内には取り外し可能なタブレットが装備され、空調や照明のコントロール、「キャンピングモード」の操作が可能だという。

その他、コンロやクールボックスを備えたキッチンエリア、ダイニングテーブル、シンクなど、T6.1を踏襲した設備が用意されるものと予想される。

パワートレインとしては、ベースのマルチバンと同じプラグインハイブリッド・システムが採用される見込み。最高出力150psの1.4Lガソリンエンジンと115psの電気モーターを組み合わせたもので、合計出力218psを発生する。

マルチバンの場合、公称燃費は66.7km/lだが、AUTOCARが実施した実走行テストではバッテリーをフル充電した状態で平均23km/l程度だった。カリフォルニアではポップアップルーフなどの設備追加によって重量増が見込まれることから、燃費にも若干影響が出ると予想される。

カリフォルニアの生産は、ドイツ・ハノーバー工場で来年開始される予定である。現行型T6.1の英国価格は6万1322ポンド(約1120万円)だが、新型では多少値上がりするだろう。参考までに、メルセデス・ベンツVクラス・マルコポーロは8万3490ポンド(約1520万円)から、フォード・トランジット・ナゲットは7万6027ポンド(約1390万円)からとなっている。

EVのID.Buzzをベースにした電動版カリフォルニアについては、2025年に登場予定だという。

フォルクスワーゲン・コマーシャル・ビークルCEOのカーステン・イントラ氏は、次のように述べている。

「キャンピングカーモデルを中心にビジネスの幅を広げ、当社製品で人々が本当に好きなもの、すなわちわたし達が『カリフォルニア・フィーリング』と呼んでいるものを提供したいと考えています」

「カリフォルニア・コミュニティのためのデジタルサービス、車両購入を補完する新サービス、フォルクスワーゲン・マルチバンをベースにした新しいカリフォルニアの発表などを、今年後半に計画しています」

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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