マニアしか知らない無名なフォード車 26選 ブルーオーバルが生んだ奇妙なクルマたち

公開 : 2023.08.12 18:05

フォード・デュランゴ

ダッジの同名車種とは全く無関係なので、混同しないように。フォード・デュランゴはランチェロに似たコンセプトの乗用車ベースのピックアップトラックである。

デュランゴは、カリフォルニアを拠点とするカスタムカービルダー、ジム・ステファンソンがフェアモント(セダン)をベースに設計し、ナショナル・コーチ・ワークス社が生産した。正確な生産台数は不明で、推定される数にもかなりのばらつきがあるが、どうやら400台以下(その半分以下の可能性もある)しか生産されなかったようだ。

フォード・デュランゴ
フォード・デュランゴ

フォード・エスコートGTi

30年以上にわたる(欧州の)エスコートの歴史の中で、高性能バージョンにはツインカム、メキシコ、RS1800、XR3、RSコスワースなどさまざまな名前が与えられてきた。当然ながら、フォルクスワーゲンホットハッチに充てた「GTI」の名は避けるはず(ちなみにGTIの名称はVWが初ではない)……そう思われるかもしれない。

しかし、1990年代後半の一時期、エスコートGTiというモデルが実在した。最高出力114psの1.8Lエンジンを搭載し、同時期のRS2000に似ている。特にエキサイティングなものではなかったが、GTiの名を冠した唯一の欧州フォード車であったという点で興味深い。

フォード・エスコートGTi
フォード・エスコートGTi

フォード・エスコートRS2000 4×4

有名な「RS」バッジを付けた最後のエスコートは、1991年に登場した2.0L 16バルブのRS2000である。その3年後に四輪駆動車の4×4が登場した。

どの世代でもエスコートは絶大な人気を誇ったが、RS2000 4×4は稀有な存在だった。トラクションに優れるためモータースポーツ仕様は理にかなっていたが、標準仕様は前輪駆動車よりも遅く、購入価格とランニングコストがかかるため、大々的に作られることはなかった。

フォード・エスコートRS2000 4x4
フォード・エスコートRS2000 4×4

フォードEXPターボ・クーペ

EXPは北米仕様のエスコートをベースに1980年代に販売された小型スポーツカーで、特に成功したわけではない。最も希少なバージョンはターボ・クーペで、通常の1.6L CVHエンジンにターボチャージャーを装着し、約120psを発生させる。0-97km/h加速は10秒以下と、当時としては優れていた。

ターボ・クーペは、初代EXPの生産最終年である1985年のみ生産された。それ以降のEXPにターボチャージャーが搭載されることはなかったが、よりパワフルな1.9L CVHを搭載していたため、その必要性は低かった。

フォードEXPターボ・クーペ
フォードEXPターボ・クーペ

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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