マニアしか知らない無名なフォード車 26選 ブルーオーバルが生んだ奇妙なクルマたち

公開 : 2023.08.12 18:05

フォードP7

ドイツ・フォードは、1939年から1980年代初頭まで生産されたさまざまなモデルにタウヌスの名前を使用したが、英国フォードのコルティナとほとんど区別がつかなくなっていた。1967年から1971年にかけて生産された世代では一時的に使用されなくなり、代わりにP7と呼ばれるようになった。

P7はレンジの名前であり、個々の車名ではないということからも曖昧さとややこしさが増している。搭載されるエンジンによって17M、20M、26Mなどと呼ばれる。

フォードP7
フォードP7

フォード・パークレーン

前述の短命に終わったデル・リオの以前には、1956年のモデルイヤーにのみ販売された、さらに希少なパークレーンというクルマがあった。

オリジナルの生産数は非常に少なかったものの、パークレーンという名前は一応存続している。セダン、コンバーチブル、ハードトップとして2世代にわたって製造されたマーキュリー・パークレーンである。フォードの場合とは異なり、マーキュリーでは10年間も生き残った。

フォード・パークレーン
フォード・パークレーン

フォード・パイロット

パイロットは、公式には第二次世界大戦後に発売された英国フォード初のモデルであるが、1937フォードV8と密接な関係にあり、排気量を拡大したエンジンを搭載している。1947年から1951年まで生産されただけで、それ以来パイロットの名は使われていないため、クラシックカー愛好会以外にはあまり知られていない。

短い生涯ではあったが、当時としては名を馳せる出来事もあった。多才なレーシングドライバー、ケン・ウォートン氏(1916-1957)がパイロットを駆り、1950年の国際チューリップ・ラリーとリスボン・ラリーで優勝したほか、英国王ジョージ6世はロングホイールベースのシューティングブレーキ仕様に乗っていたのである。

フォード・パイロット
フォード・パイロット

フォード・シエラ GLSi 4×4

前述したエスコートと同様、フォード・シエラは大変有名なモデルだが、一部のバージョンは非常に希少である。1989年頃にごく短期間生産されたGLSi 4×4は、まさにその1台だ。

機械的には、XR 4×4と同じ。両車とも最高出力152psの2.9L V6ケルン・エンジンを搭載しているが(XRは当初、ケルンの2.8L仕様で発売)、GLSiの方が安価で派手さもなかった。そのため、英国で登録されたのは2000台にも満たなかったとされており、好調だったXRには遠く及ばない。

フォード・シエラ GLSi 4x4
フォード・シエラ GLSi 4×4

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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