ランボルギーニ初のEV、8月中にコンセプト公開へ 4人乗りの電動クロスオーバーか

公開 : 2023.08.09 18:25

ランボルギーニ初のEVが、8月11日開幕の米モントレー・カー・ウィークで公開されます。2028年に発売予定で、レヴエルトとウルスの中間に位置するような2+2のクロスオーバーになると予想されます。

ランボ初のEVクロスオーバー、まもなく登場

ランボルギーニは、8月11日から20日にかけて米国カリフォルニア州で開催されるモントレー・カー・ウィーク2023において、同社初となるEVのコンセプトモデルを公開することを明らかにした。

ランボルギーニ初のEVは2028年に発売予定で、2+2のクロスオーバーになると予想されている。同社はこのコンセプトモデルについて、次のように語った。

新型EVは4人乗りのクロスオーバーと予想される(画像は予想レンダリングCG)。
新型EVは4人乗りのクロスオーバーと予想される(画像は予想レンダリングCG)。    AUTOCAR

「1963年の創業以来、アウトモービリ・ランボルギーニは将来の技術的、スタイル的な方向性を示すワンオフモデルを作ってきました。これらは、デザインや技術的なプロトタイプ、あるいは新しいコンセプトの実験であり、来るべきランボルギーニの開発に役立つものです。1960年代、これらのワンオフモデルは、モーターショーのパレード用のショーカーであることが多くありました」

「近年、呼称は『ワンオフ』からランボルギーニによって特別に作られたカテゴリー、『フューオフ』に変わりました。これは基本的に、最も忠実なお客様のための限定生産車であり、後年の市販車に採用される最先端の技術的ソリューションを先取りしたり、強化したりするものです。数日後にカリフォルニアで開催されるモントレー・カー・ウィークでは、アウトモービリ・ランボルギーニが初の100%EVのプロトタイプを発表します」

ランボルギーニは、EVコンセプトに関するこれ以上の詳細を明らかにしていないが、同社の第4のモデルラインとして、4人乗りのクロスオーバーで「グランドツアラー」の形をとると言われている。

ファミリー層向けのグランドツアラーに?

ランボルギーニ初の新型EVは、2008年に公開された4ドア・セダンのコンセプトカー「エストーケ」からインスピレーションを得ているようだ。

同社関係者は当時、エストーケに対する顧客の期待は大きかったが、販売予測に対して開発コストがかかるため、フォルクスワーゲン・グループの優先順位から市販化に至らなかったとほのめかしている。代わりに、昨年5000台以上が販売されたウルスのように、SUVモデルの開発に資金が投入されたという。

2008年に公開されたランボルギーニ・エストーケ・コンセプト
2008年に公開されたランボルギーニ・エストーケ・コンセプト    ランボルギーニ

エストーケは4ドアのスポーツセダンというスタイルをとっていたが、BEVではバッテリーパックをフロアに配置するため、車高は大幅に高くなると考えられる。スタイリングとしても、従来モデルとの差別化としてドラマチックなデザインが採用されるだろう。

今のところ、AUTOCARでは「クロスオーバー」と受け止めているが、ランボルギーニCEOのステファン・ヴィンケルマン氏はデザインについて、EV独自のパッケージングにより「興味深い道が開かれる」としている。従来の枠にとらわれない新しいスタイルとなるかもしれない。

ランボルギーニのデザイン責任者であるミィティア・ボルケルト氏は以前、AUTOCARの取材に対し、ランボルギーニの今後のモデルはすべて「宇宙船のような外観」になるだろうと語っていた。

プラットフォームとしては、ベントレーアウディが共同開発した「アルテミス」プラットフォームが採用される可能性がある。ベントレー初のEVにも採用されることから、ランボルギーニのEVも2ドアとなるかもしれない。

近年、高級4ドア・セダンの人気は衰えてきている。市場アナリストのジェイトー・ダイナミクスのデータによると、2010年には同カテゴリーの販売構成比が21.6%だったのが、2022年ではわずか9.1%にまで落ち込んでいるという。

ヴィンケルマン氏は、2+2のようなモデルを発売する戦略は、ファミリー層の顧客が電動化に前向きな姿勢を見せているためだと述べた。

「今のところ、この種のクルマには電動化が適しています。当社は、現時点で最善であると判断できることを計画しなければなりません。加速力やハンドリングの挙動だけでなく、レスポンス、ブレーキフィーリング、複数の加速プロトコルなど、この種のEVがまだ十分に解決できていないと思われる分野があります。これらは高性能EVでは実績がなく、今後何年もかけて解決していかなければならない分野です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    AUTOCAR UK

    Autocar UK

    世界最古の自動車雑誌「Autocar」(1895年創刊)の英国版。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    平成4年生まれ愛知在住。幼少期から乗り物好き。住宅営業や記事編集者といった職を経て、フリーランスとして自動車メディアで記事を書くことに。「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。

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