新型キャデラック・エスカレードIQ 大迫力の電動SUV登場 電池もスクリーンもすべて巨大

公開 : 2023.08.11 06:45  更新 : 2023.08.11 16:12

キャデラックは新型の電動SUV「エスカレードIQ」を発表。全長5.7mのボディ、200kWhのバッテリー、55インチの車載スクリーンと、すべてがアメリカン・サイズの最高級EVに仕上げられています。

全長5.7m すべてがビッグな次世代EV

キャデラックは、新型EVのエスカレードIQを公開した。ハマーよりも大きい電動SUVだが、ほとんどのスポーツカーより高い加速力と、700km以上の航続距離を誇るフラッグシップモデルである。

新型エスカレードIQは、容量200kWh という巨大なバッテリーパックを搭載する。これは、BMW i7、メルセデス・ベンツEQSロールス・ロイス・スペクターなどの高級EVセダンのほぼ2倍にあたるサイズだ。

キャデラック・エスカレードIQ
キャデラック・エスカレードIQ    キャデラック

1回の充電での航続距離は450マイル(724km)と謳われており、エネルギー効率は1kWhあたり2.25マイル(3.62km)と決して高いものではない。環境に配慮しているというよりは、むしろラグジュアリー性や居住性、存在感を重視したEVと言える。

800Vの電気アーキテクチャを採用し、急速充電器(充電速度は未公開)で10分あたり最大160kmの航続距離を充電できるとされている。また、V2H(ビークル・ツー・ホーム)により外部給電も可能だが、この機能は2025年予定のソフトウェア・アップデートまで有効化されることはない。

ゼネラルモーターズは、エスカレードIQのバッテリー重量、あるいは車両全体の重量をまだ明らかにしていないが、EPA(米国環境保護庁)に提出されたテストデータによると、ハマーの212.7kWh(使用可能容量)バッテリーの重量は1326kgであった。

全長5.7m、全幅2.4mと巨体にもかかわらず、最小旋回直径は12mと極端なものではない。

広々とした室内 55インチ・スクリーン搭載

ドライブモードの1つ、「ベロシティ・マックス」モードを作動させると、2基の電気モーター(前後アクスルに1基ずつ)から最高出力760psと最大トルク108kg-mを発生する。キャデラックによれば、エスカレードIQの0-97km/h加速は5.0秒未満になるという。

アダプティブ・エアサスペンションを装備し、車高を最大25mm上げたり、反対に50mm下げたりすることができる。「ロー・ライド」モードでは、低速時にもサスペンションを完全に下げた状態で走行できるという。

キャデラック・エスカレードIQ
キャデラック・エスカレードIQ    キャデラック

インテリアでは、55インチのインフォテインメント・スクリーンがダッシュボードに鎮座し、センターコンソールのダイヤル式コントローラーで各機能を操作する。

標準では7人乗りだが、オプションの「エグゼクティブ」レイアウトを選ぶと、2列目シートが3人掛けベンチからキャプテンシートに変更される。また、フロントシートバックには12.6インチのスクリーンが追加され、エンターテイメントや仕事に利用できる。

一方、3列目シートは電動式で、手動で折りたたむ必要がない。

エスカレードIQには、ゼネラルモーターズの先進運転支援システム「スーパークルーズ」が3年間のサブスクリプションとして標準装備され、北米の対象道路でのハンズフリー運転が可能となる。

米国価格は13万ドル(約1870万円)からで、最高出力691psのV8エンジンを搭載したエスカレードVを下回る。

記事に関わった人々

  • 執筆

    チャーリー・マーティン

    Charlie Martin

    英国編集部ビジネス担当記者。英ウィンチェスター大学で歴史を学び、20世紀の欧州におけるモビリティを専門に研究していた。2022年にAUTOCARに参加。
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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