テスラ・モデルS 詳細データテスト 市販車最高の加速 全体の洗練度は不足気味 右ハンドルがほしい
公開 : 2023.08.12 20:25
購入と維持 ★★★★★★★☆☆☆
テスラは2020年にモデルSの右ハンドル仕様の生産を中断し、その後はいまだ再開していない。英国へ再上陸したものの、量販モデルというよりはブランドのイメージリーダーとしての意味合いのほうが強い。
左ハンドルのほうがいい、というユーザーもいるだろう。そうでなくても、もしも世界最高の加速を誇るサルーンがほしいなら、ハンドル位置など気にしないかもしれない。
しかしながら、常につきまとうのが、テスラの移り気への懸念だ。いつプレイドの右ハンドル版を造りはじめるか、わかったものではない。そして、英国では左ハンドル車の残価率は壊滅的に低い。
モデルSの現在の最廉価仕様であるロングレンジは9万3480ポンド(約1701万円)だが、11万3480ポンド(約2065万円)のプレイドがほしいなら、オプションも高くつく。しかも、今はリストが公表されているのみなので、理想の仕様にするにはいろいろ発売を待たなければならない。
トラックパッケージが英国へ導入される時期も未定だ。ドイツ仕様では、セラミックブレーキが1万1945ポンド(約217万円)、鍛造ホイールが3985ポンド(約73万円)に相当する金額で設定されている。
ドライブトレインの効率に関しては、いまだ多くの競合モデルよりはるか上をいく。テストコースでは、1.6kmストレートを走るたびに充電量が5%ずつ減っていったが、平均電費は5.0km/kWhをマークし、計算上は484km走行可能。ブガッティ・ヴェイロンが12km/L以上走るのと同じくらい驚きだ。
スーパーチャージャー充電ネットワークは、やはりテスラ車に乗るとついてくる大きな特典だ。そして、プレイドの充電性能が他を圧倒すれば万々歳なのだが、計測してみるとポルシェやアウディ、はたまたヒョンデやキアが用意する800Vシステム搭載車にきわめてわずかながらも及ばない。それでも、10〜90%の充電時間が38分というのは十分に早い部類だ。