商用EVの新たな可能性 イヴェコ プロ向けのバッテリー交換システム発表 柔軟性ある運用

公開 : 2023.08.14 18:25

バッテリー交換のメリットとは

欧州でこの種のバッテリー交換システムを量産化するのはイヴェコが初めてかもしれないが、他の企業も以前からモジュール式バッテリーに注目していた。道路沿いでの交換を実現したニオだけでなく、バッテリー製造大手のCATLも最近、トラックや建設機械を対象とした「モジュール・トゥ・ブラケット」システムを発表した。

バッテリー交換システムの利用が広がれば、さまざまな利点がある。バーミンガム大学のクリティカル・マテリアル・リサーチ・フェロー、ギャビン・ハーパー氏は言う。「重要な材料資源が逼迫していることを考えると、モジュール式ソリューションによってバッテリーサイズを適正化し、適切な材料の使用が可能になれば、非常に理にかなっています」

バッテリー交換ステーションを後にするニオES8
バッテリー交換ステーションを後にするニオES8

「バッテリーの交換が可能であれば、低負荷の用途にはエネルギー密度の低い材料を使用し、究極のパフォーマンスが要求される用途にはより重要な材料を使用するなど、バッテリーの可能性が広がります」

もう1つの重要な利点は、リサイクルや再利用のためにバッテリーを簡単に取り外せることである。イヴェコはすでに、このメリットを最大限に活用する計画を立てている。中古バッテリーを比較的手頃なユニットとして販売し、顧客の導入コストを削減するとともに、バッテリーの寿命を最大限に活用してから、定置用エネルギー貯蔵に再利用したりリサイクルしたりするのだ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ヴィッキー・パロット

    Vicky Parrott

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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