アウディRS7 “自動運転” 助手席インプレッション
公開 : 2014.10.20 23:50 更新 : 2017.05.29 18:15
アウディのボス、ウルリッヒ・ハッケンバーグ氏いわく、実際にこれらの技術のすべてが一般車両に組み合わされるには最低でも10年掛かると予想しているとのこと。しかし、それらのうちの一部は2年以内にデビューを予定している次世代のアウディA8に組み合わせると明言している。
実現した場合、アウディが史上初の自動運転をプロダクションに盛り込むメーカーとなることを確信しているのだそう。その根拠として、アメリカ合衆国の西部、ネバダ州では自動運転を成功させたことを挙げているし、それだけではなく今年の初旬、フロリダ州にてパブリックテストを行った初のメーカーになった。最近ではカリフォルニア州の新しいレギュレーションによって、高速道路上でもテストを行っている。
今回のサーキットにおける試乗では、2年前からこのプロジェクトに参加している、アウディ・ドライビング・アシスタント・エンジニアのピーター・ブルグミュラー氏に同行したのだが、なんと最後の数周は筆者は一人っきりで自立走行を体験した。
ボタンを押しこめば、RS7はおどろおどろしい音とともに目を醒ます。その直後にメーター類とインフォテインメント・システムが点灯。コンピューターが自らの意思を表すかのようにブザー音を鳴らし、自動的にギアボックスがD(ドライブ)に入る。そして間髪入れずに、1番グリッドから加速を始める。
コンピューターは、サーキットを走るうえで最も有効なラインを狂いなくトレースしていく。熟達したレーサーがそうするように、ブレーキを限界まで我慢した後に、コーナーへ侵入し、縁石を踏み越えて、コーナーを脱出していくのである。
細かく見ていくと、脱出時にステアリングの舵角を調整しながら、ガスペダルを踏み込む量を決める際に、ほんのわずかにコンピューターが迷っているように感じることもあったけれど、それ以外のドライビング・テクニックにはかなり驚かされた。
エンジニアいわく、ブレーキング時の横Gは1.3とのこと。ブルグミュラー氏の話によると1.1Gまでは現時点では可能なのだそうだ。