6.6L V12ハイブリッドで最高出力1875ps デンマークブランドの最新作「オーロラ」登場
公開 : 2023.08.17 18:05
デンマークのハイパーカーメーカーであるゼンヴォが最新作「オーロラ」を発表。大排気量V12クワッドターボを搭載し、最高速度450km/hを達成。ドライビングに焦点を当てたインテリアも特徴の1つとされます。
デンマークのニッチメーカー、新世代へ
デンマークの自動車メーカーであるゼンヴォは、新型ハイパーカーの「オーロラ」を発表した。ST1やTSRといった従来のモデルから脱却し、新世代のラインナップの幕開けとなる。
ゼンヴォ(Zenvo Automotive A/S)は2007年に設立された比較的若い会社で、少量生産のハイパーカーメーカーとしてブランドを確立しつつある。左右に傾く可動式リアウィングなど、独自の技術やデザインで知られる。
ゼンヴォの会長兼最高商業責任者(CCO)のイェンス・スヴェルドラップ氏は新型オーロラについて、AUTOCARにこう語った。「このクルマがどうあるべきか、最初に腰を据えて考えました。なぜこのクルマを買わなければならないのか? なぜゼンヴォなのか?」
そして導き出された答えが、排気量6.6L、4連ターボチャージャーを搭載した巨大なV12エンジンだった。北欧神話に登場する雷神トールのハンマーにちなんで「ミョルナー」と名づけられたこのエンジンは、最高出力1267ps/8000rpmを発生し、9800rpmでレッドラインに達する。
「もし異星人がサーキットに降り立ち、ゼンヴォのV12エンジンの音を耳にしたら、彼らは髪を逆立て、目から涙を流すことでしょう。エモーショナルな存在であり、(サウンドは)重要なのです」
V12ハイブリッドで1875ps 最高速度450km/h
しかし、来るべき排出ガス規制「ユーロ7」への適合を確実にするためには、ハイブリッド化が必要だった。オーロラには203psの電気モーターが3基搭載され、結果的にシステム総出力を1875psに引き上げている。
0-100km/h加速は2.3秒とブガッティ・シロン・スーパースポーツよりも速く、最高速度は450km/hに達するという。また、電気のみで約33kmを走行可能で、サーキット走行に向かう途中、街から静かに抜け出すことができる。「朝の5時にV12エンジンに火を入れるのは、だんだん許されなくなってきている」とスヴェルドラップ氏は冗談めかして言った。
こうした性能にもかかわらず、スヴェルドラップ氏は、決して見出しになるような数字を追い求めることが目的ではなかったと語る。
「ニュルブルクリンクでどれだけ速いかは気にしていません。わたしにとっては、乗り降りしやすいほうがいい。サーキットで1秒の駆け引きをするよりも、その方がわたしにとってはずっと価値があるんです」
そのため、ゼンヴォはアクティブ・エアロによるグリップよりも、機械的なグリップの最大化に力を注いでいる。「日曜の朝、ダウンフォースで走り回る必要はないですよね」とスヴェルドラップ氏。