アイデアは良いのに消えたクルマ 21選 名案でも「不要」と判断された黒歴史
公開 : 2023.08.20 18:05
リンカーンのピックアップトラック(2001年)
リンカーンの論理は正しかった。ブランド初のSUVであるナビゲーターが気に入られたのであれば、ピックアップトラックにも夢中になるに違いない。フォードF-150をベースに、リンカーンはナビゲーターに似たフロントエンドとフェイク・ウッドパネルを装着し、ブラックウッド(写真)という名で発売した。
後輪駆動とカーペット敷きの荷室しか設定がなかったため、使い勝手は限られ、結果的に販売台数も少数にとどまった。米国では2002年モデルのみ。メキシコでは温かく迎えられたため、2003年モデルまで続いた。
それでもリンカーンは諦めなかった。2005年モデルにはマークLTを発表し、ピックアップトラック市場に果敢に復帰した。マークLTはF-150のリバッジモデルであったが、ブラックウッドよりも実用的だった。メキシコ市場には第2世代モデルが投入されたが、2008年に販売終了し、リンカーンはトラックの販売をやめた。キャデラックも2013年モデルを最後に同じ結論に達している。
ドット状のLEDライト(2000年代)
2000年代、LEDライトの採用ブームは瞬く間に自動車業界に広がった。アウディやレクサスのような高級車ブランドが挑戦し、フォルクスワーゲンや日産のような主流ブランドも参入して大衆にLEDを広めた。はじめは、個別の電球が連なるデザインのものが一般的で、写真は第2世代の日産キャシュカイである。
この小さなドットは、少なくともしばらくの間は、クルマにモダンで高級な印象を与えた。しかし、LED技術は急速に進化し、2010年代後半には連続的なラインが主流となったことから、粒々感のあるLEDドットはむしろ古くさく見えるようになってしまった。
欧州のMPV(2000年代)
2000年代の欧州市場では、多目的車(MPV)が大流行した。ミニバンより小さく、標準的なハッチバックより背の高いフィアット・イデア(2003年、写真)、オペル・メリーバ(2003年)、ルノー・モデュス(2004年)などは、通勤にも休暇にも理想的なクルマとして売り出された。その栄光は儚く、ほとんどがクロスオーバーに取って代わられた。
2020年代に入ると、両側スライドドアを特徴とするフォードBマックスが欧州におけるMPVの最後の砦となった。広い室内空間を武器とする箱型のミニバンは、昨今のアウトドアブームを考慮するとまだ勝算があるかもしれないが、比較的小柄なMPVの将来性は不透明だ。
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