ファンを魅了した軽量ボディ アルファ・ロメオ4C 英国版中古車ガイド 今が狙い時

公開 : 2023.08.29 08:25

今後の価格上昇は充分に考えられる

4Cの中古車を探す場合、装備されていてうれしいオプションがアクラポビッチ社製のエグゾースト。排気音の大きいレース・エグゾーストと専用サスペンション、18インチ+19インチのホイールがセットになった、レース・パッケージも望ましい。

マニアの多いブランドだけに、アフターマーケット・パーツも数多く用意されていた。4Cを複数所有するジョー・クイン氏は、ロッソレッド塗装にブラックレザー内装の2017年式がオススメだと話している。

アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)
アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)

もしご感心をお持ちなら、流通量が増えつつある今が狙い目。今後、価格が上昇することは充分に考えられる。

新車時代のAUTOCARの評価は

アルファ・ロメオ4Cは、乗り手を選ぶかもしれない。しかし、優れたドライバーズカーであることは間違いない。ポルシェケイマンの方が、大人なチョイスだという人もいるだろう。筆者もそれには同意する。通勤にも便利だと思う。

しかしアルファ・ファンの英国人なら、そんな比較を気にする必要はない。そもそも、ドイツのポルシェのことは視界にないだろう。台数の限られた4Cのオーナーは、他とは異なる秀でたドライバーズカーだと理解できるはず。(2014年2月9日)

アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)
アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)

オーナーの意見を聞いてみる

アモン・オハラ氏

「2016年式のアルファ・ロメオ4C スパイダーを、2年ほど所有しています。1200ポンド(約22万円)かけて、アルファの専門ショップでタイミングベルトは交換済みです」

アルファ・ロメオ4C スパイダー(2015〜2020年/英国仕様)
アルファ・ロメオ4C スパイダー(2015〜2020年/英国仕様)

「同時にサスペンション・ジオメトリも調整してもらいましたが、路面変化へ逐一反応するような、オリジナルの設定の方が自分好みではありました。284psへパワーアップさせていますが、ノーマルの240psでも充分速いです」

「飛び石傷を避けるため、フロントノーズにはプロテクションフィルムを貼っています。イエローのボディカラーは個性的ですが、走りも個性的。信頼性は悪くないと思います」

購入時に気をつけたいポイント

エンジン

積極的に回しても、エンジンは11万km以上耐えられることがユーザーによって証明されている。通常のエグゾーストでは、ターボやプリテンショナー、バルブなどのメカノイズが良く聞こえる。レース・エグゾーストなら、刺激的な排気音を楽しめる。

メーカーが推奨する整備間隔は、英国では1万9000km毎か1年毎。タイミングベルトは、9万6000km毎か5年毎の交換が推奨されている。

アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)
アルファ・ロメオ4C(2013〜2019年/欧州仕様)

弱点といえるのが、オルタネーター。バッテリー管理ユニットが、正常に充電できていないと誤った判断を出すことがあるという。

エグゾースト

ノーマルのエグゾーストシステムの場合、フレキシパイプの破損によって、アイドリング時に激しく振動することがある。サイレンサーの状態も確かめたい。

トランスミッション

試乗が可能なら、6速デュアルクラッチATの状態を入念にチェックしたい。変速にもたついたり、不意にニュートラルが選ばれるなら、エラーコードを消して再確認する。

エンジンを何度か再始動することで、リセットされる場合がある。あるいは、アルファ・ロメオのディーラーでソフトウエアをアップデートすれば、解決できるはず。それでも駄目なら、大きな出費を覚悟したい。

アクセルペダルを放した状態でのシフトダウン時に衝撃を感じたり、変速時にクラッチが滑るような印象を報告するオーナーもいるようだ。

シャシーとサスペンション

定期的に、各部のボルトの増し締めが必要。サブフレームは錆びることがある。

初期型の場合は、ロワー・ウィッシュボーンのメインブッシュから異音がないか、ステアリングホイールを回して確かめる。アッセンブリ交換となるが、後期型ではブッシュが強化され寿命が伸びている。

操縦性が神経質だと感じる場合は、タイヤ交換も有効。ミシュラン・パイロットスーパースポーツの方が、オリジナルのピレリPゼロより落ち着きが増すようだ。

ボディ

カーボンコンポジット素材のボディは柔軟で、多少の変形なら元に戻る。塗装も柔らかく、擦り傷が付きやすい。プロテクションフィルムが貼ってあるなら、大切に乗られてきた証拠といえる。リアのハイマウント・ストップランプが点灯するか確かめたい。

インテリア

サイドシルは太い。衝撃を受けた痕跡がないか観察する。ダッシュボード表面が剥がれていたり、気泡が浮いていないか確かめる。炎天下に長期間停めていると、内装は劣化しやすい。修理は安くできないと考えたい。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジョン・エバンス

    John Evans

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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