アウディA3セダン1.8TFSIクワトロ
公開 : 2014.01.26 19:46 更新 : 2017.05.29 18:18
クワトロはクワトロでも、A3のクワトロにセンターデフはついていない。リヤデフのすぐ前にあるハルデックスの第5世代、つまり電子制御の油圧多板クラッチを繋げるか離すかの、いわゆるトルクスプリット型。ガッチリ繋げると直結ヨンクで、スッパリと離せばただのFF。ダッシュ上にあるスイッチを押すとESP:スポーツ(OFFの表示も出る)。そのままさらに押し続けると、ESP:オフ。圧雪と氷の特設ミニサーキットはオフOFFの状態で。
真正(?)クワトロとはこれこれこういう状況でこう違うという説明はできないが、トラクション性能の高さは掛け値なしにフルタイムのレベルにある。圧雪路上で(ということはつまり、特設コース内では路面のミューがグッと高いところで)駆動トルクをイッキに強めると前輪がズルッとなって、それから後輪へ……というようなことはない(どころか、前輪のズルッもない)。気がつけばヨーダンピングが常にちゃんとあり、そこもまた、しっかりヨンク。
その一方で、そろーりソロリとゆっくり回る氷上ヘアピンではミョーに曲がりっぷりがよい。こうした状況では前後アクスル間の速度差の発生をかなり自由に許している模様。ヘアピン出口であえて余計にアクセルペダルを踏んでやると、パワースライドの状態へ容易にもっていける(そうしないで済まそうと思えば、それもまた容易)。その際、FR車みたいにだらしなくスピンモードに入ったりはしない。
車速や各輪の回転速や舵角やヨーレートやその他モロモロのセンサーからの情報をもとに、トランスファークラッチの圧着力を上げたり下げたり。実際には、今回の特設コースにおけるような走行状況ではかなり常時繋げ気味にしているのだろうけれど、とにかくそういう制御をやっている。A3クワトロに関してその制御のヘタクソさや反応の遅さを指摘することは、少なくとも筆者にはできない。
ということで、せっかくの特設コースなのにESPのオフOFFモード以外のモードを試すのをすっかり忘れていた。これではおっかないから……となる機会がついぞないまま、ナマのヨンクの(と思える)安心感や楽しさを体験しまくってしまった。
(文・森 慶太 写真・花村英典)
アウディA3セダン1.8TFSIクワトロ
価格 | 410.0万円 |
0-100km/h | 6.8秒 |
最高速度 | 235km/h |
燃費 | 15.2km/ℓ |
CO₂排出量 | 152g/km |
車両重量 | 1470kg |
エンジン形式 | 直4DOHCターボ, 1798cc |
エンジン配置 | フロント横置き |
駆動方式 | 4輪駆動 |
最高出力 | 180ps/4500-6200rpm |
最大最大トルク | 28.6kg-m/1350-4500rpm |
馬力荷重比 | 122ps/t |
比出力 | 100ps/ℓ |
圧縮比 | 9.6:1 |
変速機 | 6段DCT(Sトロニック) |
全長 | 4465mm |
全幅 | 1795mm |
全高 | 1390mm |
ホイールベース | 2635mm |
燃料タンク容量 | 55ℓ |
荷室容量 | 390-845ℓ |
サスペンション | (前)マクファーソン・ストラット |
(後)4リンク | |
ブレーキ | (前)φ312mm |
(後)φ272mm | |
タイヤ | 225/45R17 |