驚愕体験を平然と生む ピニンファリーナ・バッティスタへ試乗 1903psで357km/h以上 後編

公開 : 2023.08.27 08:26

実力を世界に証明したバッティスタ

計画では150台のバッティスタが作られることになっているが、すべて売れるだろうか。欧州での価格は220万ユーロ(3億1900万円)で、超が付くほど裕福なコレクターに選ばれることになる。

アウトモビリ・ピニンファリーナ社は、インドのマヒンドラ社へ買収された後、2018年にカロッツェリアのピニンファリーナ社から独立した。ハードウエアは、クロアチアの新興企業が製造している。

ピニンファリーナ・バッティスタ(欧州仕様)
ピニンファリーナ・バッティスタ(欧州仕様)

少なくとも、コンクール・デレガンスへ参加するような人々の間では、「f」のロゴの認知度はかなり高い。カンビアーノの工場には、カロッツェリアで特注のフェラーリを手掛けたという職人もいるそうだ。

技術革新のスピードは想像以上に速く、バッティスタの新鮮味は短時間で薄れてしまうかもしれない。とはいえ、史上初の電動ハイパーカーとして、影響力は小さくないはず。新たな道を切り拓くモデルとして、役割は大きい。

現実的に、われわれと近い距離にあるクルマではない。多くのクルマ好きを刺激してくれるとも、いえないと思う。

それでも、完成度は明らかに高い。思い切り振り切った内容にある。アウトモビリ・ピニンファリーナ社の実力を、世界に証明する事はできたといえる。この次には、少し手頃なSUVが控えているらしい。

もっと身近な電動スポーツカーが、登場する可能性もある。その開発時には、最初から技術者のロリス・ビコッキ氏が招かれるかもしれない。

ピニンファリーナ・バッティスタ(欧州仕様)のスペック

英国価格:220万ユーロ(3億1900万円)
全長:4912mm
全幅:1986mm
全高:1214mm
最高速度:357km/h
0-100km/h加速:1.9秒
航続距離:476km
電費:3.5km/kWh
CO2排出量:−
車両重量:2302kg
パワートレイン:クワッド永久磁石同期モーター
バッテリー:120kWhリチウムイオン
最高出力:1903ps(システム総合)
最大トルク:240.2kg-m(システム総合)
ギアボックス:シングルスピード・リダクション(四輪駆動)

記事に関わった人々

  • 執筆

    リチャード・レーン

    Richard Lane

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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