マセラティ 新型レーシングカー「MCエクストレーマ」公開 V6ツインターボで最高出力730ps

公開 : 2023.08.21 18:45

最高出力730psのサーキット専用車、マセラティMCエクストレーマが登場。スーパーカーのMC20を200kg以上軽量化し、空力性能を大きく向上させた最新世代のレーシングカーです。

ハードコアな軽量レーサー

マセラティは8月18日、最高出力740ps、車重1300kgのサーキット専用スーパーカー「MCエクストレーマ(MCXtrema)」を発表した。

MC20から派生したハイパフォーマンスモデルで、2000年代初頭に登場したレーシングカー、MC12の精神的後継車として開発された。

マセラティMCエクストレーマ
マセラティMCエクストレーマ    マセラティ

マセラティは「レガシーを受け継ぐことのできるレーシングカーを作りたいという思いを反映している」とし、「過去を称え、イタリアのラグジュアリー・ブランドの未来へのペースを決める」と述べた。

MCエクストレーマはエアロダイナミクス重視のデザインで覆われ、ダウンフォースを追求したボディと近未来的なコックピットを備えている。わずか62台の限定生産(すべて販売済み)で、価格は96万3000ポンド(約1億7800万円)と、通常のMC20の5倍近い設定となる。

スリムなLEDライトを備えた低いノーズ、一体化されたレース用ツインエグゾースト、ボンネットに取り付けられた大きなエンブレムなど、すべてが車名の通り「エクストリーム」な外観を演出している。

ルーフに取り付けられた大型エアスクープは、シャークフィンを介してスポイラーと接続され、3.0L V6エンジン「ネットゥーノ」を冷却する。エンジンのベースはMC20と同じだが、2基のターボチャージャーが追加され、さらにエアフローが増加したことで、最高出力は630psから740psへと大幅に向上した。このパワーは、レース用の6速シーケンシャル・トランスミッションを介して後輪に送られる。

サーキット用にチューンされた4ウェイ・レーシングダンパー、スプリング、アンチロールバーのほか、新しいダブルウィッシュボーン・サスペンションを採用。すべてフル・アジャスタブルである。

超軽量カーボンファイバー製ボディの採用とシャシー改良の結果、車重はMC20の1540kgから1300kgへと軽量化された。

サーキットを走る「おもちゃ」

インテリアにも力を入れている。シングルシートの周囲には、ディスプレイ内蔵のカーボンファイバー製レーシング・ステアリングホイールをはじめ、さまざまなコントロールノブやボタンが配置されている。ステアリング・キャリブレーションからトラクション・コントロール・レベル、ブレーキバランス、エンジン戦略、ピットリミッターまで、さまざまな設定を制御できる。

マセラティによると、このミニマルなコックピットは、「サーキットを走る『おもちゃ(toy)』として、最高のパフォーマンスと感動を実現する」ために、顧客からのフィードバックによってデザインされたものだという。

マセラティMCエクストレーマ
マセラティMCエクストレーマ    マセラティ

サーキット走行に特化したレーサーでありながら、パッセンジャーシート、リアビューカメラ・ディスプレイ、テレメトリー記録、タイヤ空気圧モニタリングシステムなど、マセラティらしいラグジュアリーなオプションも多数用意される。

マセラティのダヴィデ・グラッソCEOは、次のように述べている。

「マセラティMCエクストレーマは、当社のサーキットカーの新しいパラダイムとなるような、非常にエクスクルーシブな製品を目指して開発されました」

「MCエクストレーマは、マセラティのDNAの典型的なスポーツ・スピリットを具現化したものであり、最高級の製造に専念し、妥協のない性能で高級エンジン製造の世界で際立つという、マセラティブランドの新たな道筋の宣言です」

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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