レンジローバー・スポーツ オートバイオグラフィー ダイナミック
公開 : 2013.12.26 21:10 更新 : 2017.05.29 19:20
アクセルペダルやブレーキペダルを踏み込んだり止めたり戻したり、の関係のクルマの動きに関して、特に問題はない。初めて乗って走り出しても扱いづらさは感じなかった。3.0ℓV6過給と5.0ℓV8過給(いずれも直噴)とでは、アタリマエだが後者のほうがよりド迫力がある。踏むと。
8段プラネタリーのA/Tも問題なし。ただしというか、V8過給モデルを運転して箱根ターンパイクの上りで引っ張りの撮影(カメラカーの後ろを走って写真を撮られる作業)をやったところ、Dレンジではわりと頻繁にシフトダウンが起きてしまった。で、パドルを使ってのマニュアル変速モードへ。
発進停止を繰り返す状況では運転しなかったけれど、アイドリングストップは、止まるときはしっかり止まった。ちょっと止まってすぐ再始動、ということはなかった。ひとこと「伏せ」の命令を受けたら次の命令があるまで微動だにせず待ち続ける大型犬、みたいな感じで好印象。
なお。新型レンジローバースポーツにおいては、トランスファー関係のスペックに要注意点がひとつある。V6搭載モデルにおいては、オプションでフロント42対リヤ58の、つまり“後輪駆動バイアス”が強めのトルク配分のヨンクを選ぶことができる。オプションでそれを選ばなかった場合は、50:50で2段の副変速機つき。つまりハイとローの切り替えあり。
気になるステアリング関係。電動パワステの印象は、少なくとも彼らにとってのイッパツめ、つまり導入当初(それしか運転してないのでこういういいかたになります)のイヴォークとは別モノのようにヘンテコのハンタイ。大きく速く回しながら動きだす、みたいなところでの手応え等からEPSであることはわかるけれど、直進やほぼ直進状態の管理のしやすさはアクセプタブル、かグッド。値段なりの高級感、みたいなものも出せているのではないか。
でも気になるところがなかったわけではなくて、それはカーブを曲がるとき。直進状態からハンドルをきりこんでいくと、体感的には手応えが弱まる。タイヤの発生するコーナリングフォースが舵度とともに強まっていくのを反映した──というか反映しているように作り込まれるべき──手応えのビルドアップがない(センター付近の手応えがカルいレンジローバーはこのへんあまり気にならず)。
3台運転したうち、この現象はV8モデル(標準の21インチつき)において顕著だった。V6の20インチやV6の19インチならまあ。少なくとも、較べると確実にベターではあった。ので、いまのイマ買うというなら、どちらかというと……。
(文・森 慶太 写真・花村英典)
レンジローバー・スポーツ オートバイオグラフィー ダイナミック
価格 | 1260.0万円 |
0-100km/h | 5.3秒 |
最高速度 | 225km/h |
燃費 | 7.8km/ℓ |
CO₂排出量 | 298g/km |
車両重量 | 2410kg |
エンジン形式 | V8DOHC機械過給, 4999cc |
エンジン配置 | フロント縦置き |
駆動方式 | 4輪駆動 |
最高出力 | 510ps/6500rpm |
最大最大トルク | 63.8kg-m/2500rpm |
馬力荷重比 | 212ps/t |
比出力 | 102ps/ℓ |
圧縮比 | 9.5:1 |
変速機 | 8段A/T |
全長 | 4855mm |
全幅 | 1985mm |
全高 | 1800mm |
ホイールベース | 2920mm |
燃料タンク容量 | 105ℓ |
荷室容量 | 784ℓ |
サスペンション | (前)ダブルウィッシュボーン |
(後)マルチリンク | |
ブレーキ | (前)φ380mmVディスク |
(後)φ365mm Vディスク | |
タイヤ | 275/45R21 |