シンプル・イズ・ベストを体現する名車 20選 質素で安くて魅力いっぱいのクルマ
公開 : 2023.08.27 18:05
クルマがどんどん複雑化していくのは、世の必然なのかもしれません。そんな今こそ、シンプルに作られた素晴らしいクルマに目を向けたいところ。「引き算の美学」を体現する名車をいくつか紹介します。
もくじ
ー引き算の美学
ーシトロエン2CV(1948年)
ーシボレー・コルベット(初代、1953年)
ーメッサーシュミット・カビネンローラー(1953年)
ーBMWイセッタ(1955年)
ーフィアット500(1957年)
ーオースチン・セブン/モーリス・ミニ・マイナー(1959年)
ールノー4(1961年)
ートラバント601(1964年)
ーポルシェ914(1969年)
ーAMCグレムリン(1970年)
ーラーダ・ニーヴァ(1977年)
ーフィアット・パンダ(1980年)
ーフォード・フェスティバ(1986年)
ーランドローバー・ディフェンダー(1990年)
ーロータス・エリーゼ(1996年)
ーデーウ・マティス(初代、1998年)
ーダチア・ローガン(2004年)
ー日産フロンティア(2代目、2004年)
ージープ・ラングラー(JL世代、2017年)
ーケータハム・スーパーセブン1600(2020年)
引き算の美学
シンプルさが「洗練」の究極の形だとすれば、メルセデス・ベンツSクラスはむしろグロテスクに思えるかもしれない。
技術力の高さをセールスポイントにするメーカーがある一方で、「シンプル・イズ・ベスト」を証明しようと努力してきたメーカーもある。第二次世界大戦直後は、クルマをシンプルに仕上げることで、できるだけ多くの人に手頃な価格で買ってもらえるようにすることが多かった。
その後、クルマはどんどん複雑化し、機能と部品が増えて高度化しつつある。その反動というべきか、現代においてはシンプルさが評価されることが多くなった。シンプルなものが持つ質素な感触、いさぎよさ、無駄のない美しさのようなものが人々を惹きつけるのだろう。
今回は、チープな大衆車からエキサイティングなスポーツカーまで、戦後に作られたシンプルな名車をいくつか紹介したい。
シトロエン2CV(1948年)
シトロエンは、2CVを可能な限り安価でベーシックなものにするために、かなりのエネルギーを注いだ。ミシュランの重役で、1938年にシトロエンの社長に就任したピエール=ジュール・ブーランジェ(1885-1950)は、エンジニアたちに4人乗りの自転車を作らなければならないと言った。「自転車、オートバイ、馬車に代わるものだ」と彼は書いている。このガイドラインから2CVの前身となるTPVが形作られたが、第2次世界大戦のため発売直前に中止となった。
戦後、1948年に発売された2CVは、最高出力9psのフラットツインエンジン、フロントガラスからリアバンパーまで伸びるキャンバストップ、跳ね上げ式のフロントウィンドウを備えていた。当時、フランスの法律では、方向指示器の代わりにドライバーは腕を出して合図する必要があり、安上がりな二つ折り式の側面窓が装備されることになった。2CVには最終的に方向指示器が導入されたが、1990年までこの窓は維持された。ちなみに、フロントグリルに開いている穴は、必要に応じてスターティング・ハンドルを差し込むためのものである。
シボレー・コルベット(初代、1953年)
シボレーの初代コルベットは希少で、美しく、貴重だが、非常にシンプルだ。グラスファイバー製のボディには当初、シボレーがピックアップトラックなどさまざまなモデルに長年使用してきた「ブルーフレイム」直6エンジンが搭載されている。このエンジンと2速オートマチック・トランスミッションはセットであった。シボレーは生産後期にV8とマニュアル・トランスミッションを追加した。
画像 シンプルなクルマが一番良い【シトロエン2CV、ルノー4、フィアット・パンダ、ラーダ・ニーヴァを写真でじっくり見る】 全76枚