シンプル・イズ・ベストを体現する名車 20選 質素で安くて魅力いっぱいのクルマ
公開 : 2023.08.27 18:05
ラーダ・ニーヴァ(1977年)
1970年代初頭、ソフトトップを備えたジープのようなオフローダーが排除された後、ロシア政府関係者はランドローバーのシャシーにルノー5を載せたニーヴァを作るようラーダに依頼したと伝えられている。ニーヴァを横から見れば、まさにそのようなクルマであることに気づくだろう。基本的には街乗りにやさしいハッチバックで、シベリアの過酷な道路を走破するために背を高くしたのだ。また、ラーダらしく複雑な構造やテクノロジーなどは早い段階でプロジェクトから除外された。
1977年に発売されたニーヴァは、フィアット由来の4気筒エンジンと堅牢な四輪駆動システムを搭載。2020年代に入ってからも生産が続けられており、世界で最もシンプルな市販車の1つである。
フィアット・パンダ(1980年)
1980年代初頭に発売されたエコノミーカーのほとんどは、特に21世紀のレンズを通して見ると、本質的にシンプルである。初代フィアット・パンダは、機能的でありながら魅力的なエクステリアデザインと、基本に忠実なインテリアを持ち、新たなレベルの素朴さを打ち出した。パンダは2003年までマイナーチェンジのみで存続し、シンプルさは時代を超越することを証明した。
フォード・フェスティバ(1986年)
1980年代に米国で新車販売された最もシンプルなクルマの1つは、太平洋を越えてやってきたものだ。フォード・フェスティバとして知られるポケットサイズのハッチバックは、1986年からマツダによって開発・製造され、後にキアも同車を製造している。1.1L 4気筒エンジンの最高出力が48psにチューンされていることもあるが、とても遅いクルマであった。
ランドローバー・ディフェンダー(1990年)
ランドローバー・ディフェンダーが1948年に発売されたと主張する人々は、歴史を自分の都合のいいように捻じ曲げている。1983年に登場した90/110の進化版として、1990年に発売されたのである。新車当時はベーシックなモデルで、特別なものではなかった。当時、他にも素っ気ないオフローダーがたくさんあったのだ。それらが徐々に引退していく中、ディフェンダーはしぶとく生き残り、また進化を拒んだ。つい最近の2010年代まで販売され、欧州で最も地味な1台として堂々たる存在感を示していた。
ロータス・エリーゼ(1996年)
ロータスはこれまでシンプルさを自社の特徴の1つとし、ライバル車が重くなっていっても、世界的なセールスを犠牲にしても、そこから大きく逸脱することはなかった。ポルシェ・ボクスターが高級路線に移行するなか、ロータスはエリーゼを可能な限り軽量かつベーシックに保つという試行錯誤を繰り返した。エリーゼの標準装備リストは驚くほど短い。ターゲットとするユーザーにとって最も重要なのはハンドリングであり、それはカタログで数値化することも、見積書で内訳を示すこともできないからだ。
写真:フェーズ2(S2)モデル
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