シンプル・イズ・ベストを体現する名車 20選 質素で安くて魅力いっぱいのクルマ

公開 : 2023.08.27 18:05

デーウ・マティス(初代、1998年)

大宇(デイウ)は、ベルギーからウズベキスタンまで数十か国でマティスを(直接または合弁で)販売する計画だったため、シンプルに仕上げる必要があった。当初は先代モデルの0.8Lエンジンを発展させたものを搭載。デザインは1993年にイタルデザインが作成し、フィアットに却下されたコンセプトカー「ルッチョラ」をベースとしている。

デーウ・マティス(初代、1998年)
デーウ・マティス(初代、1998年)

ダチア・ローガン(2004年)

ルーマニアのダチアは、初代ローガンに対してモダンさ、信頼性、手頃な価格という3つの目標を掲げた。それ以外(デザインなど)は二の次だった。本国ルーマニアでは、1969年以来生産されてきた12ものモデルの後継という重責を背負うことに。親会社ルノーの本拠地フランスのような国では、中古車を検討する消費者を振り向かせなければならない。生産コストを抑えながら、これらすべての条件を満たすことで、2000年代で最もシンプルなクルマが誕生した。

エレクトロニクスは必要最低限に制限され、多数の部品がルノーから流用され、そしてベーシックな設計によって安価に製造された。ダチアはこの手法に倣って全ラインナップを一新し、見事に大当たりした。これまで400万台以上のローガンが販売されている。

ダチア・ローガン(2004年)
ダチア・ローガン(2004年)

日産フロンティア(2代目、2004年)

もし人間だったら、2代目の日産フロンティアは米国で運転免許を取得できる年齢に達していたはずだ。欧州では2014年に新型ナバラ(欧州向けの3代目フロンティア)が発売された一方、米国では2004年から2021年まで2代目の販売が続けられた。ピックアップトラックとしては当時最も「長寿」で、ボディスタイルに関係なく新車で販売されている中でも最も古いクルマの1つだった。「古い=ベーシック」とは限らないが、つい最近まで17年にわたって生産されたフロンティアは、真新しい競合車に比べて電子機器の数が少ない(つまり、間違いなくシンプル)。

フロンティアは過ぎ去った時代の最後の名残だったが、日産はラーダ・ニーヴァのような “超” 長寿を目指したわけではない。日産は2021年、ついに最新技術を搭載した4代目フロンティアを米国で発売した。

日産フロンティア(2代目、2004年)
日産フロンティア(2代目、2004年)

ジープラングラー(JL世代、2017年)

確かに4代目のジープ・ラングラーには、タッチスクリーンベースのインフォテインメント・システムや電子制御の運転支援システムが用意されているが、現代的なクルマとしてはかなりシンプルだ。ドアと幌は取り外すことができ、フロントガラスはボンネット上に平らに折りたためる。ボディ・オン・フレーム構造とソリッド・アクスルを備えた真のオフローダーであることに変わりはなく、2020年代においてはいささか異彩を放つ存在となっている。

ジープ・ラングラー(JL世代、2017年)
ジープ・ラングラー(JL世代、2017年)

記事に関わった人々

  • 執筆

    ロナン・グロン

    Ronan Glon

  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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