欧州の次世代キャンピングカー 広々室内にモダンなキッチン フォルクスワーゲン・カリフォルニア

公開 : 2023.08.25 18:25

フォルクスワーゲンは乗用車ベースの次世代キャンピングカー「カリフォルニア」のコンセプトモデルを公開。両側スライドドア、PHEV、モダンなインテリアデザインを特徴とします。2024年発売予定。

両側スライドドアのPHEV

フォルクスワーゲンは、乗用車ベースのキャンピングカーとして新型カリフォルニアのコンセプトモデルを公開した。市販モデルは2024年に発売予定である。

新型カリフォルニアのベースとなるのは欧州で販売されるミニバンのマルチバンで、プラグインハイブリッド(PHEV)パワートレインと乗用車由来のMQBプラットフォームを採用している。

フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト
フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト    フォルクスワーゲン

コンセプトモデルでは、最高出力150psの1.4Lガソリンエンジンと最高出力115psの電気モーター、13kWhのバッテリーを組み合わせ、合計出力218psを発生する。

現行型のT6.1カリフォルニアとの大きな違いは、両側スライドドアの採用だ。T6.1は右側しか開かないため、日本や英国など右ハンドル市場において乗降性にやや難があった。

また、両側スライドドアを採用したことで、大型ワークトップ、コンロ、クールボックス、シンクを備えたキッチンに初めて車外からアクセスできるようになった。フォルクスワーゲンは「これにより広々とした居住空間を感じられる」としている。オーニングを展開すると、リビングスペースはさらに広くなる。

タブレットで操作 現代的な装備

コンセプトモデルでは、食器棚やオーニングアームを照らす調色可能なLEDなど現代的な要素を採り入れている。「テラスを光で満たす」という取り外し可能なキャンピング・ライトや、トランクのハッチに取り付けるシャワーも装備される。

しかし、フォルクスワーゲンはカリフォルニアを「現代における理想的なキャンピングカー」とする重要な特徴として、取り外し可能なタブレット端末を挙げている。このタブレット端末から、ポップアップルーフの操作、真水や排水の量、室内の照明機能、電源の状態、冷蔵庫やAUXに関する情報の閲覧など、「キャンプに関連するすべての機能」をコントロールできるという。映画やテレビも見られるとのこと。

フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト
フォルクスワーゲン・カリフォルニア・コンセプト    フォルクスワーゲン

ベースとなるマルチバンと同様、室内の柔軟性の高さも特徴の1つである。移動させやすい軽量チェアとテーブル、折り畳み式のダブルベッドなどが備わり、室内レイアウトを簡単に変更できる。T6.1と同じく、回転式フロントシートと2人が寝られるポップアウト・ルーフトップもある。

ボディサイズは全長5304mm(現行型より412mm増)、全幅1941mm(同40mm増)とされ、歴代最大となった。

フォルクスワーゲンによると、サイズが大きくなったことから、居住空間、快適性、安全性、柔軟性が向上したという。手動ハンドブレーキではなく電子式パーキングブレーキを採用したこともあり、収納スペースも拡大された。

新型カリフォルニアの生産は、フォルクスワーゲンのドイツ・ハノーバー工場で2024年から開始される予定である。価格はまだ公表されていない。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ウィル・リメル

    Will Rimell

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    林汰久也

    Takuya Hayashi

    1992年生まれ。幼少期から乗り物好き。不動産営業や記事制作代行といった職を経て、フリーランスとして記事を書くことに。2台のバイクとちょっとした模型、おもちゃ、ぬいぐるみに囲まれて生活している。出掛けるときに本は手放せず、毎日ゲームをしないと寝付きが悪い。イチゴ、トマト、イクラなど赤色の食べ物が大好物。仕事では「誰も傷つけない」「同年代のクルマ好きを増やす」をモットーにしている。

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