小さな新型ボルボ 消えたスイッチに見る、スウェーデン流のEV作り
公開 : 2023.08.27 09:05 更新 : 2023.08.27 09:51
ボルボの電気自動車「EX30」は、ドアにスイッチやスピーカーが見当たりません。新しい顧客を獲得するために、新しいクルマ作りをしています。
日本法人 新社長自らアンヴェール
ボルボのコンパクトSUV電気自動車「EX30」の日本発表は、東京・青山のボルボスタジオ東京で行われた。
2030年にはすべてのボルボ車をEVに、そして2040年には企業としてクライメートニュートラル(排出する温室効果ガスを実質ゼロに)を目指している同社が、プレミアム市場において電動化のリーダーを目指すために送り出したコンパクトSUVだ。
ボルボとして久しぶりのニューモデルの発表には、日本法人の新代表取締役社長となる不動奈緒美氏が登壇。新社長が初めてメディアの前に登場することもあり、いつになく賑わっていた。
全長4235×全幅1835×全高1550mmというサイズは、都市部に見られる多くの機械式立体駐車場の制限に対応する。
航続距離は欧州参考値で約480km。
最大153kWhの急速充電に対応し、約26分でバッテリーを10%~80%にまで充電できる(エクステンデットレンジバッテリーの場合)。まさに、日本の都会で使うには「ちょうどいい」EVといえるだろう。
そんなEX30という車名のネーミングは、今までのボルボにはなかったものだ。
本国幹部が語る 車名EX30の意味
これは、EXの「E」はエレクトリック、つまり電気自動車を。「X」はXCシリーズなどと同じクロスオーバー(SUV)を意味する。
そして「30」はボルボ車におけるサイズの違いで、数量的な意味はないが「40より小さい」ので、EX30と名づけられたという。
ちなみに今後ボルボでは電気自動車の車名には最初に「E」を付ける方針で、先日予告された初のミニバン電気自動車は「EM90」と名づけられている。
日本発表の会場では、本国ボルボ・カーズのフランチェスコ・スペチアーレ氏(EX30コマーシャル部門責任者)、リサ・リーブス氏(インテリアデザイン部門責任者)、ヨアキム・ヘルマンソン氏(EX30プロダクト全体責任者)の3名が、報道陣のインタビューに応じた。
コンパクト化やコスト削減に伴い、いままでのボルボ車に比べて採用されなかった装備はあるのだろうか?
これについては、ボルボとしては低価格のモデルであり、新しい顧客へとアピールするEX30だが、ブランドのイメージを損なうような機能を落とすことはしていないという。
もちろんXC40より低価格なモデルであり、その価格にあったコストレベルでのデザイン開発は行っている。
だがそれは、むしろスマートなデザインへと進化している。