実用性も増した4代目 ジープ・ラングラー(JL型) 英国版中古車ガイド 最高峰のオフローダー

公開 : 2023.09.04 08:25

オフローダーのアイコン、ジープ・ラングラー。唯一の魅力を、増えつつある現行型の中古車で英国編集部が再確認します。

初代から受け継ぐ圧倒的な悪路走破性

ジープラングラー以上に、離れた場所からでもモデル名を当てられるクルマは少ないだろう。近年は、オシャレなライフスタイルを想起させるSUVとしても支持を集めているが、初代からの圧倒的な悪路走破性も失ってはいない。

3代目のJK型と見た目は似ているものの、現行型は4代目となるJL型で、2017年に発表された。中古車も増えつつあり、世界最高峰のオフロードモデルを、比較的お手頃な価格で狙えるようになってきた。

ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)
ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)

英国や日本へ上陸したのは2018年で、スタイリングはモダナイズされ、インテリアもアップデートを受けている。新しいインフォテインメント・システムを獲得し、安全性も向上。4ドアのアンリミテッドと、ベーシックな2ドアが選べるのは従来どおり。

ドライビング体験は、一般的な乗用車とは一線を画す。ダナ社製の44と呼ばれるリジッドアクスルが前後に組まれ、最もシリアスなルビコンには、電子制御デファレンシャルと、切り離し式のスタビライザーが備わる。シャシーはあくまでも本格派だ。

ただし操縦性や乗り心地では、同価格帯のSUVに並ぶとは表現しにくい。快適性を求めるなら、ランドローバーディフェンダートヨタランドクルーザーを考えた方が良いだろう。

それでも、4代目では車内空間が拡大されている。日常的な実用性では、間違いなく3代目から引き上げられている。

エントリーグレードでも装備は充実

英国仕様へ載ったエンジンの1つが、2.2Lの直列4気筒ディーゼルターボ。最高出力200psと最大トルク45.8kg-mを発揮し、燃費は10.7km/Lがうたわれた。0-100km/h加速は9.0秒と、見た目以上に鋭い加速を披露する。

ガソリンエンジンは、2.0Lの直列4気筒ターボで、こちらは271psと40.7kg-mを発生。トルクはディーゼルより細いものの、0-100km/h加速は8.1秒と更に活発で、最高速度は180km/hに届く。燃費は8.6km/Lと褒めにくい。

ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)
ジープ・ラングラー・アンリミテッド(JL型/2018年〜/英国仕様)

トランスミッションは、8速オートマティックのみ。MTは選べない。

2021年には、6.4L V型8気筒エンジンが北米で登場。最高出力469ps、最大トルク64.7kg-mという剛腕で、0-100km/h加速は4.5秒へ短縮した。英国には正規導入されていないが、並行輸入され流通はしている。また日本では、3.6L V6エンジンも選べる。

同じ2021年、ディーゼルターボは廃盤に。残ったラングラーには、アダプティブ・クルーズコントロールとオート・ヘッドライトが標準装備されるようになった。

英国のラングラーには3段階のトリムグレードがあり、サハラがエントリーになるが、装備は充実している。18インチのアルミホイールにエアコン、LEDヘッドライト、クルーズコントロール、パーキングセンサーとバックカメラなどが標準で付く。

ダッシュボードには8.8インチのインフォテインメント用タッチモニターが備わり、キーレスゴー・システムも装備される。必要そうなものは揃っている。

記事に関わった人々

  • 執筆

    ジャック・ウォリック

    Jack Warrick

    英国編集部ライター
  • 中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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