見た目のインパクト大 ヒョンデ・コナ・ハイブリッドへ試乗 C-HRやヴェゼルのライバル

公開 : 2023.10.13 19:05  更新 : 2023.10.15 16:47

欧州ではトヨタC-HRやホンダ・ヴェゼルとしのぎを削る、ヒョンデ・コナ。その新世代を、英国編集部が評価しました。

好き嫌いがわかれそうなスタイリング

コンパクト・クロスオーバーと聞いて、目新しさを感じなくなったのは筆者だけではないはず。だが、ヒョンデコナ・ハイブリッドのスタイリングには、そんな考えを少し改めさせるインパクトがあると思う。

市街地の景色へすぐに紛れてしまいそうな、個性の薄いモデルも珍しくない。しかしコナのボディには、シャープなライン構成にスクエアなホイールアーチ、特徴的なライトなどのディティールが織り交ぜられ、強い印象を残す。

ヒョンデ・コナ・ハイブリッド N-ライン S(英国仕様)
ヒョンデ・コナ・ハイブリッド N-ライン S(英国仕様)

クセがあることも確かで、好き嫌いはわかれるだろう。ボンネットの付け根に伸びるLEDライトは、例えが古いが、ロボコップのように見えなくもない。とはいえ、退屈な容姿というわけではない。

インテリア・デザインも、ボディに通じるこだわりを感じる。ダッシュボード上にはメーター用とインフォテインメント用のモニターが2面並び、その下には実際に押せるハードボタンがふんだんに並んでいる。

雰囲気としては、2000年代のコンポーネント・ステレオの見た目にも近いかもしれない。トップグレードでも、硬質なプラスティック製部品が多いことも含めて。

インフォテインメント・システム自体は、タッチモニターとハードボタンを組み合わせたインターフェイスで扱いやすい。ワイヤレスによる、スマートフォンとのミラーリング機能には対応していないが。

ボディサイズはヴェゼルやC-HRと同等

パワートレインは、2代目もガソリンエンジンのハイブリッドのほかに、電動化技術の載らないガソリンエンジンと、バッテリーEVの3種類がラインナップされることに変わりはない。すべて前輪駆動となる。

すでにAUTOCARでは、バッテリーEV版へ試乗している。今回はハイブリッドを試すことにした。

ヒョンデ・コナ・ハイブリッド N-ライン S(英国仕様)
ヒョンデ・コナ・ハイブリッド N-ライン S(英国仕様)

2代目のボディサイズは、全長4355mm、全幅1825mm、全高1575mmで、初代からひと回り拡大されている。その結果、ホンダヴェゼルトヨタC-HR、ルノーアルカナなどと同等の大きさを得たことになり、競争は一層激しくなるだろう。

全長が約4.4mあるクルマを、コンパクトと呼んでいいのか、という疑問はなくもないが、そのおかげで車内空間にはゆとりが生まれた。特に荷室は広く、アルカナに並ぶ容量を得ている。リアシート側の空間も広く、背もたれを倒せば長尺の荷物も運べる。

他方、フロントシート側のレイアウトはしっくりこない。着座位置が高く車内を見下ろす格好になり、ステアリングホイールの調整域も足りないように思う。

シャシーやパワートレインの印象は、ほどほど。ステアリングの感触は悪くないものの、ネクセン・タイヤの影響なのか、回頭性には若干の鈍さがある。

コナのハイブリッドでは、乗り心地へ改善の余地があるだろう。リア・サスペンションがマルチリンク式なのにも関わらず、荒れた路面ではホイールがバタつく印象を伴う。不快なほどではないが、モデルチェンジを控えたC-HRの方が処理は上手だ。

記事に関わった人々

  • 執筆

    イリヤ・バプラート

    Illya Verpraet

    英国編集部ライター
  • 翻訳

    中嶋健治

    Kenji Nakajima

    1976年生まれ。地方私立大学の広報室を担当後、重度のクルマ好きが高じて脱サラ。フリーの翻訳家としてAUTOCAR JAPANの海外記事を担当することに。目下の夢は、トリノやサンタアガタ、モデナをレンタカーで気ままに探訪すること。おっちょこちょいが泣き所。

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