BMW M4 コンバーチブル

公開 : 2014.10.21 22:50  更新 : 2017.05.29 17:59

全般的な印象としては初期のM3同様に濃厚なキャラクターを踏襲している一方、たっぷりとしたトラクションがあるにもかかわらず、特にウェットな路面では予期せぬスライドが頻発する。

しかしサーキットでは、比較的オーバーステアが顔を出しやすいものの、なめらかに、そして簡単に自らの手でコントロールすることができるので心配は無用だ。

一般道でもその傾向は変わらず、特にターマックや滑りやすい連続ヘアピンなどでは顕著になる。ただしクイックかつ正確なステアリングのおかげで、こちらもまた難なく対処できるはずだ。

ただしこのステアリング、実はストレートを走らせた時などのフィールがイマイチ。どこか漠然としているだけでなく、路面の形をあまり忠実には伝えてくれないのである。

その反面ブレーキの性能に関しては非の打ち所がなく、また風の巻き込み対策も見事なもの。ウインド-ストップのおかげで、225km/hで走行している時も(アウトバーンなのでご心配なく)、パッセンジャーとの会話を続けることができた。したがってオープン時のエアコンの効きも文句無しだ。

リアシートのパッケージングも、同クラスの平均値を上回っている。この手のクルマだと、ひどく背もたれが直立していることも多いのだが、ことM4コンバーチブルではそのような傾向はなく、外側の肘が内装パネルに当たることは避けられないが、横方向の寸法も十分だと言える。ただしリアシートの方がよりたくさんの風を巻き込むことが多いため、注意が必要だ。

荒れた英国の路面においても、たとえスポーツモード時でも、サスペンションが無骨に衝撃を伝えてこなかったことには驚いた。コンフォートモードであれば、このクルマがハイパフォーマンスカーであることさえも気づかない人がいてもおかしくないと思ったほどである。

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